シキーニョ被告=下院議長団が任期剥奪決定=審議への長期欠席を理由に

2018年3月に起きたマリエレ・フランコ・リオ市議と運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件の首謀者として告発されている被告の一人、シキーニョ・ブラゾン氏の下議任期が剥奪された。24日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
下議任期の剥奪はウゴ・モッタ下院議長(共和者・RP)を頭とする議長団が24日に決定。官報にも掲載された。
この決定は、「休暇期間や下院が許可した任務の期間を除き、通常会期の3分の1以上の審議に参加しなかった議員は失職する」と定めた憲法条文に基づいている。
シキーニョ被告は昨年3月に逮捕されて以来、拘束が続いており、逮捕以後、下院での審議には参加できていない。
同被告は長期間、マット・グロッソ州の連邦刑務所で拘留されていたが、持病の糖尿病が悪化したため、今月11日に最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が自宅軟禁に処分を切り替えた。自宅軟禁中は電子足輪の着用が義務づけられている上、病気の治療を行いながら裁判を待っているため、今後も下院への出席は不可能だ。
シキーニョ氏の罷免に関する討議は昨年のうちから進められており、倫理委員会は本会議での審議も推薦したが、当時のアルトゥール・リラ下院議長は審議を進めていなかった。
下院倫理委員会は今月、マリエレ氏の所属政党だった社会主義自由党(PSOL)のグラウベル・ブラガ下議の罷免を推薦したが、これに対し、「過去に前例のない、連邦議会内での暴力事件での罷免審議が進められているのに、殺人容疑のあるシキーニョ氏の罷免審議が進まないのはなぜか」との声は、PSOLや左派議員からのみならず、世論としても上がっていた。
なお、議長団はシキーニョ氏の件を本会議にかけていない上、会期中の出席不足を理由に失職を宣言したため、同氏は罷免扱いになっていない。現在は最高裁での審理も行われていないため、同氏は被選挙権を保ったままになっており、マリエレ氏の姉のアニエレ・フランコ人種平等相らが、苦言を呈している。(4)