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コーロル元大統領=逮捕後、刑務所の独房に=LJ作戦の抗告却下受け

2025年4月26日

アラゴアス州の連警本部で拘留審問を受けるコーロル元大統領(右側手前、25日付G1サイトの記事の一部)
アラゴアス州の連警本部で拘留審問を受けるコーロル元大統領(右側手前、25日付G1サイトの記事の一部)

 ペトロブラス社にまつわる汚職を摘発したラヴァ・ジャット(LJ)作戦の一環の汚職疑惑で有罪判決を受けた後、抗告も却下されたことで、24日に逮捕命令を受けたフェルナンド・コーロル元大統領が、25日朝、アラゴアス州マセイオーの空港で逮捕された。元大統領は同日中に拘留審問を受け、マセイオー刑務所特別棟の独房に移された。(1)(2)(3)
 コーロル氏は民政復帰後に始まった直接選挙で選ばれた最初の大統領で、上議も務めていた。1989年の大統領選では汚職に手を染めた公務員を糾弾していた(4)が、ブラジル労働党(PTB)党首時代の2010~14年にペトロブラス子会社で現在は民営化されたBRディストリブイドーラの政治的人事に関与。同社の燃料配給基地建設契約でUTCエンジェニャリア社に便宜を図り、2千万レの賄賂を受け取ったとして、2023年に収賄と資金洗浄の罪で有罪判決を受けた。(5)
 同氏は最高裁に8年10カ月という刑期の見直しを求めていたが、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は24日夜、コーロル氏の弁護団が起こした控訴は事件の終結を回避するために他ならないとして、この要請を却下。それと同時に即刻逮捕を命じた。(6)
 即刻逮捕との命令はコーロル氏らを驚かせたが、コーロル氏は自ら出頭すべく、25日未明にブラジリアに向かう航空便に乗ろうとしてマセイオー空港に到着した時点で身柄を拘束された。これにより、コーロル氏はルーラ氏とミシェル・テメル氏に続く、民政復帰後に逮捕された3人目の元大統領となった。(7)(8)
 アラゴアス州の連警本部に拘留されたコーロル氏に対する審問は、25日午前中にモラエス判事が行った。コーロル氏が健康上の理由でアラゴアス州内で服役することを望んだため、モラエス判事がマセイオー刑務所特別棟で服役することを承認。元大統領の身柄は同日午後、同刑務所に移された。
 なお、モラエス判事による逮捕命令は同判事が単独で下した司法判断のため、最高裁では25日にビデオ審理を開き、逮捕命令が妥当か否かの投票を始めた。午後5時半過ぎまでにフラヴィオ・ジノ判事、ルイス・ロベルト・バロゾ長官、エディソン・ファキン判事、カルメン・ルシア判事がモラエス判事の判断を支持する票を投じているが、ジルマル・メンデス判事が対面審理を求めため、他の判事が皆、ビデオ審理で投票しても、最終判断は全体審理に持ち越される。コーロル氏は最終判断が出るまで、マセイオー刑務所に留まることになる見込みだ。(9)(10)
 同氏の弁護団が拘留審問で求めた自宅軟禁は別途検討される見込みで、モラエス判事は既にマセイオー刑務所に対し、闘病しながらの服役が可能かの報告書を24時間以内に出すことを命じている。
 なお、25日付G1サイト(11)は、モラエス判事が即刻逮捕を命じたのは、22年大統領選後のクーデター計画疑惑で起訴されている人達に、裁判を長引かせ、刑執行を遅らせようとする試みは受け入れられないことや、同件は大法廷での審理にはならないことを明らかにする意図があったと、最高裁判事達が見ていると報じている。


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