ヌネスサンパウロ市長が日中訪問=持続可能な都市作りに協力要請

サンパウロ市役所広報によればリカルド・ヌネス市長は、持続可能性、技術革新、国際的なパートナーシップ強化を目的に、中国と日本を4月23日から5月1日まで公式訪問した。主要な成果として電動バスの先進的な充電システム導入に向けた中国ファーウェイとの協議開始、中国銀行との間で総額1億ドル(約155億円)の融資枠を確保など、サンパウロ市の公共交通電動化を加速させる計画が進展したという。
中国では富潔環境科技(Fujie Environmental Tech)の先進技術を視察したほか、上海市の龔正市長との交流を深め、防犯カメラ事業などで協力するハイクビジョン社、ダーファ社を訪れた。これらの企業はすでに、サンパウロ市のスマートシティ化を推進する「スマート・サンパ」プログラムの重要なパートナーだ。上海で開催された「バリュエコノミック・ブラジル中国サミット」の「スマートシティ」パネルにも登壇し、国際協力の意義を訴えた。
日本での初の公式行事として、4月26日の午前中、ヌネス市長はサンパウロ市の姉妹都市である大阪市の横山英幸市長と会談し、技術、セキュリティ、モビリティの進歩について話し合うとともに、両市の56年にわたる絆を確かめ、関係深化を図った。

ヌネス市長は「サンパウロ市には日本国外で最も多くの日系人が住んでいることは周知の事実です。本日は大阪市長の横山秀幸氏と非常に有意義な会談ができました」と述べた。横山市長は「本日はリカルド・ヌネス市長をお迎えし、大阪とサンパウロ市の絆を改めて確認することができました。56年続いたこの絆が、今後100年、200年と続いていくことを願っています」と述べた。その後ヌネス市長は大阪・関西万博を視察した。
日本公式訪問の最終日30日、ヌネス市長は東京都内の国際協力機構(JICA)本部を訪れ、井本佐智子理事と面会し、市が推進する複数の都市開発プロジェクトを紹介した。ロベルト・マリーニョ道路複合施設や市中心部の次世代型路面電車(VLT)、日系文化の中心地であるリベルダーデ地区における官民連携プロジェクト「エスプラナーダ・ダ・リベルダーデ」などが議題に上がった。
ヌネス市長は、特に同地区の官民連携プロジェクトの意義について「リベルダーデは日本文化を象徴する地区。この地域の再開発にJICAが関与してくれれば、極めて意義深く、美しいプロジェクトになる」と語り、日本側の支援に強い期待を寄せた。
日本側からは都市型水害対策や排水インフラ分野での連携強化に対して強い関心が示され、井本理事は「JICAは人間の安全保障と質の高い成長を重視しており、生活環境の改善に寄与する取り組みには特に力を入れている」と述べた。

さらに、小池百合子東京都知事や英利アルフィヤ外務大臣政務官との会談を通じ、サンパウロ市と日本の外交関係の深化も図られた。視察団はまた、東京・杉並清掃工場などのクリーンエネルギー施設やイノベーション拠点を訪問した。