コーヒー価格=過去12カ月で80%超上昇=中国輸出急増や気象等で

地理統計院(IBGE)が9日に発表した最新の広範囲消費者物価指数(IPCA)によると、挽いたコーヒーの価格は、ブラジルで過去12カ月間に80・2%も上昇し、1995年以降で最も高いインフレ率を記録したと同日付G1(1)が報じた。
挽いたコーヒーの価格は2月に10・77%上昇し、26年ぶりの月間最大の上昇を記録。3月は8・14%、4月は4・48%と上昇率は鈍化してきているものの、依然として高い上昇を続けている。
今年の急激な価格上昇は、国内外の様々な要因が原因となった。気象条件では過去1年間にブラジルを襲った高温や干ばつが、生産に重大な影響を与えたとされ、霜や熱波が繰り返し発生したことも一因だ。このような気象の影響は過去4年間にわたり続いており、業界全体で原材料費が224%上昇したと報告されている。
世界的な供給不足も価格上昇を助長し、ベトナムなどの大規模生産国が気象による収穫不良に見舞われたことで事態が悪化。国際的な物流コストの増加も影響を及ぼし、特に中東での戦争がコーヒーの輸送コストを押し上げ、輸出に必要なコンテナ価格が急騰したことが挙げられる。
国内市場で消費増加が見られる中、ブラジルのコーヒー生産者は新たな国際市場への進出を進め、それが国内供給にも影響を与えている。特に中国は2023年、ブラジルからのコーヒー輸入量で前年の20位から6位に急上昇し、この動向が国内価格にも反映された。
これら複合的な要因が重なった結果、コーヒー価格は依然として高水準で推移し、今後も消費者に厳しい状況が続くものと見込まれている。