ルーラ「今ほど必要だったことはない」=中国との関係について強調=台湾は中国の不可分な一部

ルーラ大統領は13日、訪問中の中国との関係を評して「かつてこれほど必要だったことはない」と語った。中国の習近平国家主席と時を同じくして米国のトランプ大統領による高関税に対しての警戒を語り、中国とラテンアメリカの協力関係を呼びかけている。同日付G1サイト(1)が報じている。
ルーラ氏はこの日に北京で行われた第4回目となる中国と中南米・カリブ諸国共同体(CELAC)との共同フォーラムの後、会見を行った。ルーラ氏は「長年にわたり、国際社会は抜本的改革を求めてきてはいるが、ここ数カ月、世界はより予測不可で分断している。中国と伯国は一方的政治行動や保護主義に反対すべく声を上げていく」と語った。
大統領が特に強調しているのはトランプ大統領の関税政策に対しての批判で「貿易戦争に勝者はいない。物価を高騰させ、経済を落ち込ませ、各国で最も弱い立場にある人々の所得を奪う。習近平国家主席と私は、世界貿易機関(WTO)のルールに基づく公正な貿易を支持している」と語っている。
この発言は、中国と米国が関税の税率を上げる報復合戦に関して90日間の停戦宣言が行われた翌日に行われたものだ。ブラジルも鉄鋼とアルミに関しての高関税に関し、追加税率の削減や撤廃を目指して交渉を求めている。ルーラ氏は「1万5千キロも離れているが、今ほど中国と関係が近づいたことはない」と語っている。
他方、習主席もフォーラムの席で似た発言を行っている。同主席は米国や、この前日の休戦宣言に関して直接的には触れなかったが、「威圧と覇権主義は孤立を招くだけだ」と語り、「一方的行動主義と保護主義の高まりに直面して、中国はラテンアメリカとカリブ海諸国のパートナーと協力する用意がある」と語っている。
習主席はフォーラムでのスピーチの中で、ブラジルと40年前に始めた衛生分野の協力を、「ラテンアメリカとの関係性におけるモデルだ」と評価している。
このフォーラムではルーラ大統領もスピーチを行っているが、大統領はそこで「この地域での覇権主義を求めないし新たな冷戦も望まない」と語り、「我々ラテンアメリカ諸国は、共に世界を築くパートナーを探さなくてはならないし、そうしなければ貧困のままだ。それは習主席や米国大統領、EUにではなく、私たち自身にかかっているのだ」とのメッセージを送っていた。(2)
ルーラ大統領はウクライナ紛争やガザ紛争に関しても習主席との類似性を語っている。「武力紛争の虚しさを克服することは発展の条件だ。中国とブラジルの共通認識は、平和を取り戻すための基盤は対話だということ」と語っている。
また両国の覚書には、ブラジルは「一つの中国原則を堅持する」と述べ、「世界には中国は一つしかなく、台湾は中国の領土の不可分な一部であることを認める」と記されている。
この前日には中国から270億レアルに及ぶ巨額投資を受ける商業的協約を結んだことも話題になっている。