日本食親善大使と熊本物産協会がコラボ=ジャパンハウスで県民食PR

日本の農林水産省が任命する日本食普及の親善大使である飯田アレシャンドレ龍也さんと白石テルマさんが熊本物産協会(西田卓すぐる代表)と2月25日、「郷土料理熊本県編」をサンパウロ市ジャパンハウス内レストラン「藍染」で共同開催した。
親善大使の二人と熊本物産協会による協力イベントは今回が初。西田代表(51歳、熊本県)は会計事務所や熊本物産協会を経営するかたわら、県や県産品のPRを行うため度々日本国外へ出向いている。国外でのPRの際は、加藤清正公の装いをしている。昨年、熊本物産のPRの為に初来伯した際に、飯田さんと白石さんと出会い、意気投合し今回のイベント開催となった。
イベントでは、ブラジルの和食レストランや小売店関係者、ソムリエ、政府関係者など約40人が有料で参加し、熊本の歴史や土地についてなどを学んだ。そして、山うに豆腐や、からし蓮根、白醤油を使った刺身、太平燕、高菜炒めなど熊本の郷土料理が振舞われた。また、熊本の日本酒である赤酒やブラジルでも販売予定がある「れいざん」、九曜正宗なども振舞われ参加者一同舌鼓を打った。
中でもからし蓮根は、寛永九年に滋養強壮の為に細川忠利公に献上したことから食されるようになったが、同イベントに合わせて西田さんが過去細川公に献上した当時の伝統製法で作られたからし蓮根を持参し振る舞い、参加者を喜ばせた。伝統製法のからし蓮根は賞味期限が1週間のみとなるため、海外はもちろん、日本でもなかなか手に入りにくい希少品だ。
飯田さんは、「白石シェフと西田さんと日本全体でなく県を紹介する郷土イベントを開催したいと昨年から話していましたが、無事開催することができて大変嬉しく思います。熊本だけでなく他の県の紹介も行っていきたい」と意気込みを語った。
また、西田さんは、「母県の紹介をサンパウロでできて大変嬉しく思います。参加者の熊本県にルーツのある日系の方から、故郷熊本の味を体感できたことの感謝の気持ちや、熊本出身の親戚の移民当時の写真や話などを直接聞くことができて幸せです」と述べた。
参加者の一人で和食店「タタ寿司」を経営するモリ・ヒラタ・ルイス・クラウジオ氏(3世)は、「私の祖父もはるか昔、熊本から遠く離れたこのブラジルに移民しました。熊本は私にとっても故郷であり、その故郷をこのサンパウロで贅沢に感じることができて本当に充実した時間でした。これからも色々な都道府県イベントが開催されることを期待しています」と述べた。