イボベスパ=14万P突破で再び記録更新=経済強含みと金融引き締めで

ブラジルの主要株価指数イボベスパが19日、取引時間中に初めて14万ポイント(P)の大台を突破し、終値でも前営業日比で0・32%高の13万9636ポイントを記録。これにより、15日に達成した13万9334ポイントを上回り、過去最高を再び更新した。米国の信用格付引き下げや中国の小売売上高の低調な結果を受け、グローバル市場に不透明感が広がる中、中央銀行の経済活動指数(IBC―Br)が市場予想を上回ったことや中銀総裁による引き締め姿勢継続が、投資家の安心感を後押ししたと、同日付インフォマネーなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
ムーディーズは16日、米国の信用格付を最上級の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げ、増加し続ける米国の財政赤字や金利上昇への懸念を示した。これを受けて、米国株式市場は軒並み伸び悩み、特にウォール街では株価が小幅な動きに止まった。
一方、ブラジル市場は国内経済の底堅さを背景に、好調なパフォーマンスを維持。中銀が同日発表したデータによると、国内総生産(GDP)の先行指標とされるIBC―Brが、3月に前月比で0・8%上昇し、市場予想を上回った。前年同月比では3・5%増、12カ月累計では4・2%の伸びを記録し、経済の持続的な拡大が確認された形だ。
加えて、ガリポロ中銀総裁は同日、将来の物価安定に対する市場の期待が揺らいでいるとの認識を示し、経済基本金利(Selic)を「かなり引き締まった水準で、かなり長い期間」維持する必要性を強調。インフレ目標に対する責任感ある姿勢は市場関係者から好意的に受け止められており、金融政策の透明性を評価する声も多い。さらに、同氏はインフレ目標の変更についての議論は一切行われていないことも明言し、政策の一貫性を印象づけた。専門家によれば、ガリポロ氏は政治的干渉を一層排除し、技術的な姿勢を強化しており、それが市場にとって好材料と見なされているという。
市場の好調を受けて株価指数は大台を超えたものの、主要構成銘柄の動きはまちまちだった。鉱山大手のヴァーレ(VALE3)は0・27%下落し、石油最大手のペトロブラス(PETR4)も小幅な値動きに終わった。国内の銀行株も一部で値を下げ、特にブラジル銀行(BBAS3)は2・45%の下落となった。だが、イタウ・ウニバンコ(ITUB4)やサンタンデール(SANB11)などの主要金融機関は堅調に推移し、全体的な株価指数を支えた。
一方、ブラジル内で発生した鳥インフルエンザの影響で、特に食肉加工業者の株式が大きく動いた。JBSは3・06%上昇し、イボベスパ構成銘柄の中で最大の上げ幅を記録したが、マルフリギは6・42%下落し、同指数で最も下げた。ミネルヴァ(BEEF3)は0・19%上昇したものの、BRF(BRFS3)は1・35%下落した。