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コーヒー消費16%も急減=1年で80%値上がり響く

2025年5月24日

価格高騰の影響で、5月24日「ブラジル全国コーヒーの日」も素直に祝えない状況が続く(Foto: Foto: ANPr/Divulgação)
価格高騰の影響で、5月24日「ブラジル全国コーヒーの日」も素直に祝えない状況が続く(Foto: Foto: ANPr/Divulgação)

 ブラジルコーヒー産業協会(Abic)は22日、4月の国内コーヒー消費量が前年同月比で15・9%減少したと発表した。背景には、過去12カ月間でコーヒー価格が約80%上昇し、過去30年間で最も深刻なインフレに直面していることがあると、22日付インフォマネー(1)が報じた。
 Abicによると、1〜4月累計の小売販売量は前年同期比で5・13%減少し、60キログラム袋換算で計470万袋に止まった。小売経由の消費は、国内需要全体の73〜78%を占める。
 価格高騰の背景には、異常気象による国内生産への打撃がある。23年は熱波と干ばつが相次ぎ、コーヒー樹に水分ストレスが生じ、果実が枯れたり、結実前に落下したりしたため、翌年の収穫量にも悪影響が及んだ。こうした異常気象は過去4年間にわたり断続的に発生し、生産コストの持続的な増大を招いている。
 さらに、主要生産国ベトナムでも不作が続き、世界的な供給不安が広がっている。加えて、中東情勢の悪化による海上物流の混乱が輸送コストを押し上げ、製品の最終価格に反映されている。これらの要因が重なり、卸売価格および店頭価格双方に強い上昇圧力をかけている。
 また、国外でのブラジル産コーヒーの需要が拡大していることも、国内市場への供給逼迫を招いている。生産量の一部が輸出に振り向けられた結果、国内流通分が相対的に減少しているからだ。
 こうした中、国際市場では一部で価格調整の動きも見られた。22日はニューヨークの国際商品取引所で、アラビカ種のコーヒーの7月限の先物価格が2・58%下落し、1ポンドあたり3・6075ドルを記録。これは、ブラジルでの収穫進展と需要減退により、供給と需要のバランスが改善されたことが背景にある。米農務省が一部生産地において楽観的な生産見通しを示したことも、市場に下方圧力を与えた。
 ただし、国際価格の下落はロブスタ種が中心で、市場の調整局面は限定的との見方もある。専門家は、高値が続く中でも消費者は何らかの形でコーヒーを手にすると指摘。特に欧州市場では、金利低下とインフレ鈍化が進めば、可処分所得の回復を通じて消費が再び活性化する可能性があると分析している。(2)
 ブラジルではコーヒーは水に次ぐ消費量第2位の飲料で、価格変動は国民生活に広範な影響を及ぼす。だが、Abicは業界はコスト増を完全には価格に転嫁できていないと指摘。20年以降のコスト上昇は224%に及ぶのに、消費者価格は110%増に止まっているからだ。このため、業界関係者の間では今後も価格改定が断続的に行われるとの見方が広がっており、当面は小売価格への転嫁が避けられない状況だ。


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