タルシジオ=ボルソナロ派が警戒=中道右派で26年選挙団結か=PL内でミシェレとのシャッパ説も

タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)の言動が大統領選出馬を狙っているようだとして、ボルソナロ前大統領(自由党・PL)の支持者の一部が困惑する一方、PL関係者がボルソナロ氏の代替候補として前向きに考えているとも報じられている。23日付フォーリャ紙が報じている。(1)
ボルソナロ派が問題としたのは、22日にサンパウロ市南部で行われたギリェルメ・デリ・サンパウロ州保安局長が進歩党(PP)に復党するイベントをタルシジオ知事がバックアップしたことだ。デリッテ氏の復党は2026年の上院議員選挙を睨んでのものだが、これをタルシジオ氏が同年の大統領選でのシャッパ(連立名簿)の形成ではないかと見ている。
ボルソナロ派の人たちが問題としたのは、そこにPRやPPの関係者だけでなく、アントニオ・ルエダ氏(ウニオン)やジルベルト・カサビ氏(社会民主党・PSD)、レナタ・アブレウ氏(ポデモス)などのセントロン系政党の党首も駆け付けた上、PL党首のヴァルデマール・コスタ氏の姿もあったことだ。
また、タルシジオ氏がその席でルーラ政権への批判を盛り込んだ演説を行ったため、この会合が2026年の選挙での中道右派連合を思わせたというのだ。
「重要なのは、この会合の象徴性だ。ここにブラジル全土からかなりの指導者たちが集まっている。来年、このグループが団結するかを疑う人もいるかもしれないが、彼らは必ず団結する」と、あるボルソナロ氏の関係者はフォーリャ紙に話している。
さらに注目すべきは、そのイベントにボルソナロ派の人たちが招待されなかったことだ。会場には1千人規模で、80人以上の市長たちが参加したのにもかかわらずだ。これは意図的なもので、この復党会にボルソナロ派の一部が政治的な意味合いを見だして反対する兆候が見られたために招待が見送られたのだという。
その一方で25日付UOLサイトは、PLの一部で、26年の大統領選では既に、タルシジオ氏を大統領候補、ボルソナロ氏のミシェレ夫人を副候補に立てるというアイデアが支持を受け始めていると報じている。
それによると、大統領候補にはイデオロギーに関係なく政治家としての支持で選ぶ層を引きつけるとしてタルシジオ氏、副候補には「ボルソナロ氏やトランプ氏の支持層を喜ばせる人物」としてミシェレ氏が適任で、組み合わせ的に良いからだという。
また、ミシェレ氏の場合は、強行で扇動的な態度をとらないという意味でも女性受けが良いため、女性票で考えても分があるという。(2)
タルシジオ氏自身は、ボルソナロ氏への忠誠心から、2030年まで8年間の出馬権禁止処分になっているボルソナロ氏を大統領候補と主張し続けている。同氏は今週中にも、ボルソナロ氏を擁護するため、最高裁でのクーデター計画疑惑に関する公判で証人喚問を受けると見られている。(3)