ルーラ大統領=めまい訴え病院へ、公務中止=過去の転倒事故も影響か

ルーラ大統領(79歳)は26日、めまいを起こし、迷路炎と診断された後、首都ブラジリアのシリオ・リバネス病院に搬送されたが、画像診断や血液検査の結果は全て正常範囲内で、同日中に退院した。27日も公邸で静養を続け、医師の観察下に置かれているため、予定されていた公務は取りやめたが、一部閣僚との執務は行われたとアジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
大統領は26日の昼食後にめまいの症状を訴え、大統領府付のアナ・エレナ・ジェルモグリオ医師の診察を受けた後、病院に搬送された。病院滞在はおよそ2時間に及んだが、各種検査の結果はいずれも正常範囲内だったという。症状としては「めまい」および「内耳炎」と診断されている。
大統領府社会通信局(Secom)は27日朝の発表で、大統領の容体は安定しており、現時点で再度の入院は予定されていないと明らかにした。ジェルモグリオ医師によると、症状は通常24〜48時間で軽快するとされ、引き続き公邸での静養が勧告されている。
27日には、連邦教育機関の学長らとの会合や外務省での「外交官の日」記念式典などが予定されていたが、体調を考慮して出席を見送った。各行事にはジェラルド・アルキミン副大統領や関係閣僚が代理出席した。
今後のスケジュールについては未定の部分も多い。28日には北東部のパライバ州およびペルナンブコ州、翌29日には南部のパラナ州およびサンタカタリーナ州への訪問が予定されているが、実施の可否は体調次第とみられる。
なお、大統領は今年2月末、サンパウロ市のシリオ・リバネス病院で年1回の定期健康診断を受けている。本来、この検診は24年12月に実施される予定だったが、同年10月に公邸内の浴室で転倒し、後頭部を負傷したことから、入院と経過観察を余儀なくされ、日程が延期された。
その後、12月には体調不良と強い頭痛を訴え、再び同病院に入院。新たな出血が見られたため、緊急手術を受け、約2週間にわたり、療養した。ブラジリアに戻った後は年末まで公務を控え、2月になってようやく長距離移動を再開していた。