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イタジャイ港=連邦政府管理下で業務再開=近代化に8・44億レ投資

2025年5月31日

イタジャイ港(Divulgação/MPor)
イタジャイ港(Divulgação/MPor)

 ルーラ大統領とその一行が29日、サンタカタリーナ(SC)州北部のイタジャイ港のターミナルを訪れ、同港の業務再開と連邦政府による管理体制復帰を祝う式典を開くと共に、同港の近代化や拡張工事に8・44億レアルを投じると発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。

業務再開と連邦政府の管理体制復帰を祝う式典で(ハダジ財相、ルーラ大統領、マギダ総裁、シルヴィオ・コスタ港湾空港相、グレイシ・ホフマン渉外室長官、Ricardo Stuckert/Secom-PR)
業務再開と連邦政府の管理体制復帰を祝う式典で(ハダジ財相、ルーラ大統領、マギダ総裁、シルヴィオ・コスタ港湾空港相、グレイシ・ホフマン渉外室長官、Ricardo Stuckert/Secom-PR)


 イタジャイ港は国内3番目の規模を誇るが、種々の問題でコンテナ船の運用は1年以上休止していたため、今年1月にサンパウロ州のサントス港を管理する港湾局が管理を引き継ぎ、業務を再開させた。
 シルヴィオ・コスタ・フィリョ港湾空港相はこの式典で、連邦政府がイタジャイ港を連邦政府の管理下に置くための暫定令(MP)を準備していると発表。アレックス・アヴィラ港湾空港局長は、港湾空港省に直結した新たな国営企業であるDocas社設立に関するガイドラインを提供し、貨物輸送に関する指導と助言を行うことで、本来あるべき重要な地位を取り戻せるはずだと述べた。
 新たなDocas社の詳細はまだ議論されておらず、MPの公表期限も明らかにされていないが、サントス港湾局による管理は1年間限定のため、MPの公表は数カ月以内に行われるはずだ。なお、同公社には経営審議会が置かれ、同港のガバナンス体制を構築するが、喫水整備などのサービスは別の民間企業に移管されるため、組織自体は従来より小規模となる。また、同港の管理を支援している市営機関の職員の一部は新公社に吸収される見込みだ。
 港湾空港相はターミナルの安全性や物流効率、港湾能力の向上・拡大のため、5年間で8・44億レアルを投じて拡張・近代化工事を行うことも発表。具体的な内容は、クルーズ船接岸用桟橋建設、イタジャイ・アス川水路(16メートル)の浚渫、エヴォルソン盆地の工事、大通り脇の水路右岸の封鎖、ナヴェガンテス桟橋の再整備、輸出入業務を行う継続通関区間(RAC)と周辺の高密度化、沈没したパラス号の船体撤去、変電所と照明の再整備、新しいスキャナーの取得と設置、船舶交通管理情報システムの導入、人工知能を使ったセキュリティ管理のスマート港湾システム導入、道路監視と運行管理、ゲートの近代化と国税庁との統合となっている。
 連邦政府はこれらの投資により、貨物輸送の活性化や雇用創出、地域経済の強化を目指している。港の再活性化はルーラ政権の継続的な取り組みで、第1期の2006年に港湾活動のマヒ防止のための防波堤改修工事、第2期の2008年には洪水で破壊された港の再建工事が行われている。
 式典ではペトロブラスもイタジャイ地域への投資を発表。同社の船舶更新計画では、2026年までに290億レアルを投じて52隻の造船を行う予定で、内16隻は昨年から同州のイタジャイとナヴェガンテスの造船所に入港している。マギダ・シャンブリア総裁は、これらの船舶により様々な物資の物流業務の柔軟性と効率性が向上すると述べた。同社の造船発注は2016年以降初めてで、5万人の直接・間接雇用が生まれる見込みだ。
 ルーラ氏は、「輸出の約9割を海上輸送に頼っている国には船舶が不可欠だ。ペトロブラスのような企業を抱える国はタンカーを保有しなければならない。ブラジル人労働者を乗せ、ブラジル国旗を掲げて世界中を航行する船があってもいいはずだ」と述べ、「我々は造船所を大切にする」とも語った。
 イタジャイ港長のジョアン・パウロ・タヴァレス氏は、1~4月の同港の収益は過去最高の7500万レアルに達し、4月の収益は前年同月比で200%以上増えたと強調。「貨物量も月間100万トン以上に増えた。港が活気を取り戻し、競争力が増したことで街の収入と雇用も増えている。今年は1・8億レアル以上の収益を見込んでいる」と述べた。


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