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ルーラ大統領不支持率=53・7%で過去最高に=年金スキャンダルが直撃

2025年5月31日

ルーラ大統領の支持率推移(赤:不支持、青:支持)(Foto:Reprodução/AtlasIntel)
ルーラ大統領の支持率推移(赤:不支持、青:支持)(Foto:Reprodução/AtlasIntel)

 アトラスインテル社が30日に公表した最新の世論調査によると、ルーラ大統領に対する不支持率が再び上昇し、53・7%に達した。これは、同社が継続的に実施しているルーラ政権に関する調査で過去最高水準となった。不支持増加は、国立社会保障院(INSS)の年金不正問題に起因しており、政府への信頼が大きく損なわれたと同日付エスタード紙など(1)(2)(3)が報じた。
 ルーラ第3政権発足後、1年が経過した2024年1月時点での不支持率は45・4%で、今回は約8%ポイント(pp)上昇した。一方、「支持する」は45・4%にとどまり、「わからない」は0・7%だった。
 今回の調査は、INSSを巡る年金詐欺スキャンダルが表面化した後、初めて実施されたものだ。問題発覚後、INSS総裁の入れ替えなどが行われ、民主労働党(PDT)が与党連合から離脱。また、同スキャンダルは野党によってSNS上で盛んに取り上げられており、連邦議会では超党派による両院合同議会調査委員会(CPMI)が不正行為の実態解明に乗り出す予定だ。同委員会には自由党(PL)所属の強硬派議員らが加わる見通しだ。
 今回の調査では、現在のブラジルが直面している主要な課題に関する質問も行われた。複数回答で最多となった項目は「汚職」で、先月の47%から60%へと大幅に増加した。これまで最も多かった「犯罪および麻薬取引」は第2位に後退したものの、依然として最重要課題として認識されている。
 ルーラ大統領の政権運営に関する評価は、「悪い/非常に悪い」と評価した層が52・1%を占め、「良い/非常に良い」とした回答者は41・9%にとどまった。
 また、政府の主要な社会福祉政策であるボルサ・ファミリアの受給者層においても政権への支持が揺らいでおり、受給者の53・2%がルーラ政権を「悪い/非常に悪い」と評価している。これまでは与党の安定的な支持基盤とされてきた層の一部で離反の兆しが見られることは、政権にとって深刻な警告といえる。
 今回の調査は5月19〜23日に全国の有権者4399人を対象に行われ、統計上の誤差は上下1pp、信頼度は95%だ。


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