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JICA=充実した活動内容を報告=日系海外協力隊最終報告会で

2025年8月8日

JICAサンパウロ事務所で報告会に参加した人々
JICAサンパウロ事務所で報告会に参加した人々

 JICAブラジル事務所(宮崎明博所長)は7月28日、2023年度1次隊として派遣されたJICA日系海外協力隊3人の最終活動報告会を実施した。報告会には約40人の関係者が参加し、各隊員が活動成果と経験を語った。報告を行ったのは、小学校教育の布目杏奈さん(愛知県出身)、日本語教育の菊池優衣さん(大阪府出身)、野球の川村渉さん(東京都出身)。

 布目さんは、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市のエコス学園で活動。日本の学校で行われる「係活動」を学園に紹介して取り入れること、忘れ物防止に特化した活動を実施した。子どもたちとポスターや動画を作成し、啓発活動も行った。今もその活動は継続されている。

 日本語や日本文化を学ぶ授業を担当し、日本の学校との交流機会を作り日本や日本文化に興味を持った日本語学習者が大幅に増加したことで、取り組んできたことが形になったことを実感している。

 菊池さんは、パラー州ベレン市の越知日伯学園で日本語教師として活動。子どもたちが楽しく学べるよう工夫しながら授業を行い、日本の行事や遊びも取り入れた。特に力を入れたのが販売用教科書の作成で、校長の長年の願いを受け、著作権をクリアするためにイラストを差し替えるなど工夫して、他校でも使える教材に仕上げた。文化交流祭や新聞作りなどを通して、日本に関心を持つ子どもが増えたことにやりがいを感じてきた。

 川村さんは、パラナ州ロンドリーナ市のロンドリーナ文化体育協会で野球指導を行った。到着時に目にした9面もの大小のグラウンドの規模は圧巻で、その光景は今でも強烈な印象として残っている。選手や指導者不足など課題が多い中、子どもたちの練習参加率を高め、チームを立て直した。

 日系社会での自分の在り方にも悩んだが、日本人、ブラジル人というくくりにとらわれず、場面ごとに自分らしさを大切にしながら乗り越えた。今後は日本にいるブラジル人児童の支援にも関わりたいと話す。

 報告会の最後に堀脇友美子次長は、「着任間もない私にとって、皆さんが目を輝かせながら語る姿は成果と充実感が伝わり、大きな励みになりました。2年間の任期を無事に終えられたことを誇りとしてください。今後の皆さんの活躍を心から応援しています」と隊員を激励した。

 堀脇次長は、ブラジル赴任前、当国で現在約60人ものボランティア隊員が活動していることに驚いたという。日系社会の規模の大きさや、そこに寄せられる期待の大きさを改めて実感した。一人ひとりの隊員の着実な取り組みが、次の要請につながっていることにも感銘を受けたという。

 3人は同日夜、日本に帰国した。


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