ブラジル文学アカデミー=新たな永久会員にハトゥム=国内随一のベストセラー作家

14日、ブラジル文学アカデミー(ABL)は、新たな永久会員にベストセラー作家のミルトン・ハトゥムを選出した。同日付G1サイト(1)が報じている。
今回の選出は、永久会員番号6番を持っていた文学学者でジャーナリストのシセロ・サンドローニ氏の死去に伴って行われたものだ。ハトゥムは34票の会員票のうち33票を獲得し、圧倒的な支持を得て選ばれた。
1952年、マナウス生まれのハトゥムは、ブラジリア大学で学んだ後、サンパウロ大学で建築学の学位を取得。タウバテ大学で建築史の教授も務めた。
マドリッドやパリで生活していた1980年代にラテンアメリカ文学の修士号を取得。1984~98年にはアマゾナス連邦大学でフランス語と文学の教授を務めた。
1999年にサンパウロ市に移住。その頃から文芸評論と小説で知られるようになり、2000年発表の小説「二人の兄弟」が大ヒット。国内で映画化されたのみならず、世界各国で翻訳版が出版された。また、2006年にはブラジル出版界の最高権威「ジャブチ賞」で最優秀小説賞も受賞した。
2008年発表の小説「エルドラドの孤児」や、2009年の短編集「孤独な街」の中の一編も映画化されている。現在までに出版された書籍は8冊だが、ハトゥムの作品は世界17カ国で出版され、50万部以上の売上を誇っている。
ハトゥム選出にあたり、ABLのメルヴァル・ペレイラ会長は、「彼は現存するブラジル最大の作家であり、一流の小説家だ。今後、我々に大きな貢献をしてくれることだろう」との賛辞を送っている。