ブラジルの子どもたちに野球道具を=JICA隊員がクラファン挑戦中
JICA海外協力隊としてブラジル・アチバイア日伯文化体育協会で野球隊員として活動する小﨑信秀さん(福岡県出身、27歳)が、現在クラウドファンディングに挑戦している。「ブラジルの子どもたちに野球道具を届けたい!」を合言葉に、2025年7月25日から資金募集を開始し、日本で野球道具を購入してブラジルへ届ける計画だ。
資金は往復の航空券(預け荷物超過料金含む)、クラウドファンディング手数料、リターン費用、そして可能な限り多くの野球道具購入費に充てられる。
小﨑さんは幼少期から野球を続け、大学卒業後のカナダでのワーキングホリデーを経て、2023年11月から同協会で野球コーチとして活動を開始した。当初は負けても平気な弱小チームを任され、悩みも多かったという。しかし「とにかく褒める」ことを大切に指導を続けるうち、子どもたちは勝つ喜びやチームワークの大切さを知り、本気でプロを目指す選手も現れるようになった。
ただし、ブラジルにプロ野球はなく、道具メーカーもなく、店頭でも道具を入手できない。中古品やおさがり、時にはテニスボールで練習するのが現状で、数も質も足りていない。そんな環境の中でも、週末に2時間半かけて練習に来る子、休みの日にも自主練を願い出る子がおり、彼らの情熱に応えるため、このクラウドファンディングを立ち上げたのだという。
小﨑さんの任期は10月末でいったん終了するが、帰国後に道具を集め、12月に再びブラジルを訪れて子どもたちに手渡す計画だ。目標額は100万円。8月16日、募集期間内に目標金額を達成し、見事プロジェクトは成立した。
記事執筆時点では支援総額は108万5000円に達し、「数年前の留学中、現地の方にお世話になりました。その感謝を込めて支援します」といった、ブラジルに縁を持つ人々からの温かな声援も寄せられている。
目標額は達成したものの支援募集は8月31日まで続く。終了日までに集まった資金はすべてプロジェクト実行者が受け取る方式であり、集まるほどに子どもたちの環境改善につながる。新しいグローブやボールを手にし、夢に向かって挑戦するブラジルの野球少年少女たち。その未来を支えるための応援は、今も広がり続けている。
クラウドファンディングはURL(https://readyfor.jp/projects/baseball-for-brazil)から。