訃報=東京海上火災ブラジル社創業者、篠又幸一郎氏

トキオ・マリン・セグラドーラ(東京海上ホールディングス株式会社の子会社Tokio Marine Seguradora、本社・サンパウロ)の創設者、篠又幸一郎氏が8月30日にサンパウロ市のオズワルド・クルス病院で老衰のために逝去した。同日にモルンビー墓地で通夜と葬儀が行われ、火葬された。家族によれば、初七日法要は行わないとのこと。行年95歳。
篠又氏は1930年に愛知県名古屋市生まれで、1956年頃に渡伯。東京海上火災の子会社設立に尽力し、1959年7月7日にトキオ・マリン設立。創業期から35年にわたり経営の舵取りに尽力した。
退職後はブラジル日本文化福祉協会の高等審議会メンバー、日伯文化連盟副会長、池坊華道会ブラジル支部同支部名誉顧問、マリンクラブ油絵同好会代表なども歴任し、日系社会でも広く知られる存在だった。
同社は広報の中で「異国の地で保険事業を根付かせることは容易ではなかったが、同氏は先駆者としての気概と戦略眼をもって事業を拡大し、同国での基盤を築いた。今日のトキオ・マリン・ブラジル事業の発展は、篠又氏の功績に大きく負うところがある」と伝えた。本社社長の小池昌洋氏らも篠又氏の家族に深い哀悼の意を伝えた。