戦後工業移住者を調査=田中さん「ぜひ連絡を」

国際的な開発課題研究を行うJICA緒方研究所(所在地東京)の研究員、田中ロベルト秀一さん(29歳・パラグアイ3世)が、戦後の工業移民の調査のために4日に来伯し、編集部で研究活動に対する意気込みを語った。
アスンシオン出身の田中さんは、日本人の父親と日系パラグアイ2世の母親を持つ。母親とはスペイン語、父親とは日本語で会話し、フランスとカナダで社会科学を学び、博士論文のテーマに戦後の移住政策を選んだ。その調査を進める中で、戦前移民に比べて戦後移民の調査研究が少ないことに気付いた。「今回は工業移住に焦点を当てた調査を進めている」という。
特に「60年代、日本は高度経済成長期に入っていた。工業技術者は日本でも引く手数多だったはずなのに、敢えて南米に移住した。その動機や、ブラジルに来てからどんな活動をしたか、どうブラジルに貢献してきたかをお聞きしたい。工業で活躍するのみならず、文学や俳句・短歌、民謡など他分野で活躍されていると聞く。その動機や経緯などをじっくりとお聞きしたい」と語った。
田中さんは28日まで当地で調査を続ける。この辺に関してぜひ語りたいことがある人は田中さんのメール(Tanaka.Shuichi@jica.go.jp)まで連絡を。