闇バンジージャンプで頭部強打=事故でもまさかの料金請求
「ゴン!」サンパウロ市西部のスマレ大通りにある高さ約30メートルの橋梁で、バンジージャンプに挑戦した若い女性が、跳ね返った後に橋梁底部に頭を強打する事故が発生した。10月に記録されたこの動画は、最近になってSNS上で広く拡散され、物議を醸している。女性は、友人の誘いで業者が運営するジャンプサービスに参加したが、当該地点での実施が市当局により禁止されていることを認識していなかったと述べている。安全管理体制の不備が指摘される事態となっていると6日付G1など(1)(2)が報じた。
事故の当事者で起業家のタチアネ・ローザ・コスタさん(26歳)は、以前同じ場所で複数回ジャンプした経験がある友人に誘われ、バンジージャンプ未経験だったが参加を決めた。当日は他にも利用者がおり、現場では日常的にジャンプが行われていたことから、危険性や禁止されている事実を疑うことはなかったと述べている。
タチアネさんは、運営側の指示に従って装備を装着し、腕を広げた姿勢のまま腹ばいで橋梁から投下される形でジャンプを実施。映像には、落下後にゴムロープが最大限に伸びた反動で上方へ強く引き戻され、橋梁底部に頭部を激しくぶつける様子が記録されている。衝突音も確認でき、G1記事には「その音は迫力満点(impressionante)」とまで書かれた。「(この動画を)撮影した人は私が死んだと思ったほどでした」とも。
彼女は頭部に強い痛みを感じたものの、意識を失うことはなく、当初は頭部の腫れと頭痛のみだったという。「ジャンプ中、何が起こったのか全く理解できなかった。頭をぶつけた瞬間、強い衝撃を感じたけど、おそらくアドレナリンが出ていたおかげで、意識は保たれていたんだと思う」と述べた。
痛みは数日で軽減したが、その後、一般診療医を受診し、念のため頭部の画像検査を受けるよう勧められたという。事故後、運営側は応急処置を提供せず、その場での救護対応も行われなかった。さらに、事故が発生したにもかかわらず、サービス料金を請求されたという。
また、タチアネさんに先立ちジャンプした友人も橋梁の構造物に接触していたが、運営側からは「衝突の危険性はない」と説明されたとして、安全管理の不十分さを疑問視している。
スマレ橋梁では、ロープを使って降下する懸垂下降やバンジージャンプが常態化しており、SNS上でも運営会社の広告が散見される。だが、市当局はこれらの行為をすべて禁止している。過去にも同地点で複数の事故が発生しており、約27メートルの高さから落下した男性が腕を骨折したほか、懸垂下降中の別の男性が墜落し、両脚に複雑骨折を負った例もある。
市当局は、都市圏警備隊(GCM)の支援を受けて現場での違法行為の取り締まりを定期的に実施していると説明。市民が違法な活動を目撃した場合には、通報電話窓口「156」を通じて届け出るよう呼びかけている。
タチアネさんは現在、医療機関でのさらなる検査を予定している。彼女は「禁止されているとは知らず、危険を冒すつもりもなかった。あの場所で事故が多発していることを伝えたい」とコメントし、同様の行為を検討する人々に注意を促している。









