芭蕉の心、海を越える=白河の関俳句賞表彰式25日=海外ブラジル勢が存在感
ゆかりの俳聖・松尾芭蕉の足跡を顕彰して福島県白河市が主催する「第7回芭蕉白河の関俳句賞」の入賞作品表彰式が1月25日、白河文化交流館で開催された。今回は国内外から計5千句余りという過去最多規模の応募が寄せられ、俳句文化の広がりと裾野の広さをあらためて印象づけた。海外の部「自由題」では116句が寄せられ、今年もブラジル在住者の活躍が目立った。
募集は「一般の部」「海外の部」「ジュニアの部」「海外ジュニアの部」の4部門で行われ、「一般の部」では自由題と白河を詠んだ句を2句1組で募集。「海外の部」およびジュニア部門では自由題とした。応募は岩手から鹿児島まで全国各地に加え、ブラジル、オーストラリア、中国、米国、オランダ、スイス、フランスなど世界各地から寄せられた。
鈴木太郎選では、井上人栄さん(リオデジャネイロ州)の「打ち下ろす鍬真っ直ぐに春の土」が大賞に選ばれ、移民の暮らしと大地の息吹を端正に詠み上げた点が高く評価された。特選には串間いつえさん(サンパウロ州)の「永遠の移民の郷愁さくら花」、秀逸には大野宏江さん(同)の「キリスト像世界を包む朝の霧」が選ばれた。
佐怒賀直美選では、橋本美代子さん(アマゾナス州)の「水中林水の中なる木下闇」が大賞を受賞。アマゾンならではの自然景観を幻想的に切り取った句が光った。橋本研二選、金子秀子選でも、移民の歳月や雄大な自然、国境を越える視点を詠み込んだ作品が相次ぎ入賞した。
主催者は「白河を起点に、俳句が国や世代を越えて共有されていることを実感した」と話している。芭蕉が『奥の細道』で越えた白河の関。その精神は、今も世界各地で詠まれる十七音の中に息づいている。
【海外の部】大賞4人、特選4人、秀逸4人、入選20人。
▪️鈴木太郎 選
◎大賞「打ち下ろす鍬真っ直ぐに春の土」リオ州・井上人栄
◎特選「永遠の移民の郷愁さくら花」サンパウロ州・串間いつえ
◎秀逸「キリスト像世界を包む朝の霧」サンパウロ州・大野宏江
▪️佐怒賀直美 選
◎大賞「水中林水の中なる木下闇」アマゾナス州・橋本美代子
◎特選「盛り上がる地球の丸み星月夜」サンパウロ州・坂上美代江
◎秀逸「マナウスのビルの谷間に雲の峰」アマゾナス州・谷角佳世子
▪️橋本研二 選
◎大賞「移民早六十三年銀河濃し」パラー州・三宅昭子
◎特選「牛の群れ三州またぎ冬の旅」サンパウロ州・後藤たけし
◎秀逸「移民等の魂こもる桜咲く」サンパウロ州・林とみ代
▪️金子秀子 選
◎大賞「万緑の力漲るわが大地」サンパウロ州・浅海喜世子
◎特選「白河や旅人越ゆる雁の空」オランダ デン・ハーグ・やまたか
◎秀逸「虹たちて両国つなぐ瀑布かな」サンパウロ州・梅崎嘉明








