清和友好協会=リベルダーデで陛下66歳祝う=移民120周年に来伯願う声も
ブラジル日本清和友好協会(中沢宏一会長)は23日午前、サンパウロ市リベルダーデ区の日毎ビル中二階で、66歳の誕生日を迎えられた天皇徳仁陛下の祝賀会を開いた。前身のブラジル日本会議時代から続く恒例行事で、この日は約30人が集い、陛下のご健勝と皇室の弥栄、日本のさらなる発展を静かに祈った。
会場ではまず、日伯両国の国歌が斉唱された。続いて、誕生日に際して皇居で行われた記者会見の映像が上映され、参加者はスクリーンを見つめながら、陛下の言葉に耳を傾けた。
陛下は会見で、奈良時代に大仏を建立した聖武天皇以来、歴代天皇が国民の苦しみに寄り添ってきた歩みに触れ、「近年、自然災害が激甚化、頻発化する時代にあって、災害が起こらないことを常に願い、国民と苦楽を共にしながら、被災地の方々の声に耳を傾けつつ、国民に寄り添っていきたい」と述べられた。その一言一言に、会場はしんと静まり返った。
映像上映後、中沢会長(82歳、宮城県出身)はゆっくりと言葉を選びながらあいさつに立った。「年を重ねて歴史に関心を持つようになり、皇室に対する印象も変わってきました。戦中派の私が戦後に受けてきた教育は何だったのかと、最近はよく自問します」。昨年末から身近な戦後移民4人が相次いで亡くなったことにも触れ、「5年前に私が亡くなっていたら、今のような気持ちにはなれなかったかもしれない」との胸中を明かした。そして「2028年の日本移民120周年には、ぜひ天皇皇后両陛下にお越しいただきたい」と、静かな決意をにじませた。
司会を務めた榎原良一副会長は、安定的な皇位継承をめぐる議論や、皇室典範改正の動きについて説明。参加者はうなずきながら聞き入った。
神奈川県出身で85歳の大矢進貞さんは「天皇陛下は日本国の象徴であり、私たちにとって心の支えのような存在です。何よりお身体を大切にしていただきたい」と語った。かつて天皇誕生祝賀会は、日系中心団体のブラジル日本文化福祉協会などでも盛大に行われていた。主な祝賀会は現在、総領事公邸以外では清和協会だけになってしまったよう。
式典の後は昼食会が開かれ、細井真由美さん手作りの料理が振る舞われた。参加者からは「日本語だけで行われるイベントは、もう清和だけになってしまったね」という寂しそうな声が聞かれた。和やかな歓談のなかにも、遠く離れた祖国への思いと、皇室への敬意が静かに通い合うひとときとなった。









