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マイゾウ・メーノス(まあーまあー)の世界ブラジル(50)=サンパウロ 梅津久

2026年2月24日

第42話―トロンバジニョからピストル強盗まで

 交差点で信号待ちしている車の運転手から時計、ノートブックや携帯電話を奪い取る。ピストルを突きつけてお金を奪う。強盗である。歩いていると、後ろから前から襲って来て、財布、貴重品を奪い去る。

 私がサンパウロに住んでいた時のことだ。エスダーンティ街で夜、車を停めて、友人の後ろを歩いた。すると後ろから肩を叩かれ、振り向いたところ、前から来たもう一人の子供に、力の抜けた腕に抱えていた財布入れを奪い取られた。

 逃げていく二人を必死で追いかけながら「そっちの財布入れにはお金が入っていない、返したらこっちのポケットに入っているお金をやる!」と叫び続けた。

 相手は走りながら財布入れの中を確認してお金が入っていないのが分かると、立ち止まって、お金と財布入れの交換となった。

 お金をやると財布入れを投げて、二人はミニョコンの高速道路に飛び降りて逃げていった。

 幸い、身分証明書などのドキュメントを無くさずに済んだ。

 妻も住んでいたアパートの近くのマジーニ街で二回もネックレスを剥ぎ取られている。太いネックレスでなかったので怪我をせずに済んだが、これが太く丈夫なネックレスなら首筋を切られて多量の血を流し、悪くすれば死亡ということにもなりかねない。

 マナウスに住むようになってから、サンパウロに出張に来て、会社の友人と夕食をとり、彼の車でリベルダーデ街を走っていて赤信号で停車した瞬間に、彼がタバコを吸うために開けておいたわずかの隙間から、ピストル(のような物)を服の下から突き付けて彼から現金だけを奪い取った。

 幸いだったのは助手席の私からは何も取らなかったことと、車を奪われなかったことである。

 知人のなかには、家の前に買ったばかりで保険に入っていなかった新車を駐車して置いて、車のドキュメントを中に置いたまま盗まれた者もいる。たぶんブラジル国境を越えてベネズエラで売り飛ばされた。

 また、仕事の同僚は、ポンタネグラ大道りでオートバイで追跡された強盗に助手席に置いてあったノートパソコンを奪われている。

 さらにびっくりした出来事は、マナウスの中華料理店での出来事。私が家で夕食をしている時に電話が入り「大変なことが起こったのですぐに来てほしい」とのこと。慌ててこの料理店にいくと、日本からの駐在員と出張者数人が食事をしていたところにピストル強盗が入り、料理店の会計から現金を奪い、引き上げる間際に、彼らのテーブルに来て脅迫して全員からお金を奪い取った。そのうちの一人は布製で古ぼけた財布を出したら、強盗はお金は入っていないと思ったのかその財布をテーブルに投げて出て行ったとのこと。

 また大変な出来事は、先ほどのリベルダーデ街で車上強盗に会った友人が、日本と東南アジアへの出張のためにサンパウロのグアリューリョス空港で搭乗手続きを済ませ、空港建屋の外で同行者たちと椅子に座りタバコを吸い、いざ搭乗ゲートへと椅子を立ったら、キャリアケースとバッグが無くなっていた。「やられた!!」話に夢中になっている間に置き引きに会ったのである。パスポート、搭乗券、身分証明書など一式が無くなってしまい、彼だけが出国することが出来なく取り残されてしまった出来事である。

 本当に物騒でのんびり車に乗ったり、歩いたり出来ない。安全策としては、少しくらい暑くとも車の窓を開けて運転しない、交差点で止まる時は必ずギアを入れ、前との車との車間距離を取って何時でもスタート出来る様にする、深夜なら交差点で赤になっても徐行運転で車が来なかったら止まらないこと。

 アパートや家のガレージに車を入れる時は一回入り口を通り過ぎて周囲に怪しい人がいないことを確認してからガレージに入れる。

 街を歩く時は、あまり着飾らず、ネックレスや腕輪、ブローチなどの飾り物は取って歩き、目的地に着いたら、付けるようにすること。日本からきたばかりとわかるようか格好では歩かず、常に後ろを振り返り、変な人が付けていないか様子を見ること。

 この様な犯罪を表に出て犯すのは未成年であることが多い。ブラジルの法律では未成年(17歳まで)は罰則できないことになっており、現行犯で警察に捕まっても、すぐに釈放されるからです。裏の大人は捕まらない。



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