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浜松市=日系2世の児玉氏、新会長に=日伯交流協会が第100回記念例会

2026年2月27日

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 静岡県浜松市を中心に、日本とブラジルの架け橋として活動する「日伯交流協会」(事務局・浜松市中央区)が、大きな節目を迎えた。同協会は20日、第100回目となる記念例会を市福祉交流センターで開催。約130人の関係者が集まるなか、次世代への継承を象徴する新体制が発足した。

 記念すべき節目の式典では、2019年から会長を務めてきた高木昭三氏(84歳)の退任と、新会長に児玉哲義氏(60歳、2世)が就任することが報告された。児玉氏はブラジル出身の日系2世で、浜松市内で空手道場「世界武士道空手連盟魂誠會」を主宰する師範でもある。

 新会長としてマイクを握った児玉氏は、25歳で来日して以来、日系青少年の非行防止や、空手を通じた健全育成に尽力してきた自身の歩みを振り返った。児玉氏は「新会長として、微力ながら日本とブラジルの相互理解と次世代育成のために全力を尽くしたい」と力強く決意を述べた。前任の高木氏は名誉会長に退き、「協会の役割は今後も大きい。さらなる発展を期待したい」と新体制にエールを送った。

 同協会の歩みは、2008年の日本人ブラジル移住100周年記念事業まで遡る。当時、浜松で開催された世界空手大会の実行委員メンバーらが中心となり、「この繋がりを日本とブラジルの関係改善に活かしたい」と、2009年2月19日に設立された。初代会長には当時静岡文化芸術大学学長だった川勝平太氏(前静岡県知事)が就任し、以降、教育、文化、スポーツを3本の柱として活動を継続してきた。

 協会が長年向き合ってきたのは、日本で暮らす覚悟を決めたブラジル人世帯が抱える課題だ。「子供の将来のために日本社会に溶け込みたいが、教育システムに馴染めない」といった声に応えるべく、相談体制の構築や青少年の支援に注力。これまでに日伯運動会や国際カラオケ大会、ブラジル経済セミナーなど、多岐にわたる事業を通じて両国民の相互理解を深めてきた。

 式典には、アルデモ・ガルシア在浜松ブラジル国総領事ら多くの来賓も駆けつけ、華を添えた。片山さつき財務大臣(参議院議員)からも「第100回という大きな節目を迎えられた。日伯両国の強固な絆を支えてこられた皆様に深い敬意を表する」との書面の祝辞が寄せられた。

 第2部では、武蔵大学社会学部のアンジェロ・イシ教授による記念講話が行われた。イシ教授はサンパウロ出身の日系3世で、移民研究の第一人者として知られる。「在日ブラジル人コミュニティの歩み、現在、未来」をテーマに、1990年の入管法改正以降のデカセギの歴史から、多文化共生社会の展望までを論じた。イシ教授は、定住化が進む中で「行動を変え、日本社会の一部として生きる親世代の努力」を評価しつつ、今後の共生のあり方を提言。約130人の参加者は熱心に耳を傾け、例会後の懇親会でも活発な意見交換が行われた。

 浜松という地に根ざし、幾多の困難を乗り越えて100回の会合を積み重ねてきた日伯交流協会。日系2世の新リーダーを迎え、日本とブラジルの「新しい未来」に向けた歩みは、これからも続いていく。


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