善意の輪、食卓に広がる=「希望の家」支援の慈善食事会
障がい者福祉施設「希望の家」(下本アケミ・ジルセ理事長)を支えようと、運営資金を募る第2回慈善食事会が18日、サンパウロ市の客家センターで開かれた。昼夜2回にわたる宴(うたげ)の運営を担ったのは、すべて手弁当のボランティアたち。その一皿一皿に込められた真心が、施設の明日を繋ぐ糧となる。
同施設は1963年、市川幸子さんの手によって産声を上げ、70年に希望の家福祉協会として公式登録された。現在は約70人が身を寄せるが、毎月50万レアル近い運営費の工面は容易ではない。
「常に資金が不足する中で、昨年からこの試みを始めました」と下本理事長。挨拶(あいさつ)に立つと、「市川さんが灯(とも)した火を絶やさぬよう、志を同じくする仲間や企業が集まってくれた。すべては皆様のおかげです」と、会場を埋めた支援者へ深々と頭を下げた。
会場には、信頼を形にしようとする真摯(しんし)な空気が流れていた。上原テリオ副理事長が「一人ひとりの力が結集し、これほど大きな催しになった。寄せられた浄財は、必ず透明性を持って管理します」と誓えば、続く上村ジャイロ元会長は、ユーモアたっぷりの乾杯で場を和ませる。振る舞われた豪華な日本食に、来場者からは次々と笑みがこぼれた。
ステージでは「サンタマリア・バンド」の演奏やアンドレ・サンチさんのスタンドアップ・コメディが繰り広げられ、華やかな余興に拍手が巻き起こる中、来場者は豪華な日本食に舌鼓を打った。
「初めて来たが、障がいのある方々を支える活動に胸を打たれた。これからも協力したい」。友人に誘われ訪れた真壁ウイルソンさん(57)は、晴れやかな表情で語った。
四半世紀にわたり続けられてきた「慈善お茶会」の歩みが、形を変えて実を結んだのが今回の食事会だ。昼夜ともに650席のチケットは完売。厨房(ちゅうぼう)では延べ100人を超えるボランティアや寿司(すし)職人が汗を流し、趣旨に賛同する青果店「サコロン」も食材を格安で提供して背中を押した。善意のバトンがつながり、サンパウロ市の空の下、温かな支援の輪がまた一つ、大きく広がった。








