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《ブラジル》ANVISA脅迫「息子の命危険、お前殺す」幼年者接種を認めた理事に=大統領も「承認者名公表せよ」

2021年12月22日

ANVISA本部(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
ANVISA本部(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 【既報関連】子供へのコロナワクチン接種の判断をめぐり、接種反対派による国家衛生監督庁(ANVISA)の理事や職員に対する殺害予告などの威嚇行為が続いている。20、21日付紙、現地サイトが報じている。
 ANVISA関係者への威嚇行為は、16日に同庁が5歳から11歳の子供に対するコロナワクチンの接種を承認すると公表したことで激化。
 ANVISAへの脅迫、威嚇行為は、幼年者への接種を検討しはじめた10月から起きており、ファイザー社による承認申請から1カ月を過ぎるとより頻繁になった。このため、15日には連邦直轄区の連邦警察で同庁の理事や職員、その家族への脅迫行為に対する捜査がはじまっていた。
 だが、16日にはボルソナロ大統領が恒例のライブでじきじきに、「子供へのワクチン接種を承認した人物のリストを要請した」と語り、「名前を公開する」と圧力をかけた。
 これに対し、ANVISAのアントニオ・バーレ・トーレス理事長が17日、「私たちの仕事は市民の健康を守るため」であり、「いかなる暴力行為にも屈しない」と抗議声明を出した。
 また、19日には連邦検察庁や法務省、連邦警察、大統領府安全保障室に対し、ANVISAが受け続けている脅迫犯罪を明らかにするよう願い出ている。ANVISAは20日にも「新たな被害を受けた」と被害報告を行っており、連邦警察も新たな捜査を開始した。
 ANVISAに対し、子供への接種を認めさせまいとする人々の威嚇はこの問題を話し合いはじめた10月から続いており、同庁は10月にも連邦警察に捜査を依頼していた。その結果も20日に発表され、連邦検察庁に調書が送られた。

 それによると、パラナ州在住のドウグラス・ボッザなる人物は、ANVISAの理事5人に対し、「ワクチンを強制接種させて自分の息子の命を危険にさらすようなことがあれば、おまえたちを殺す」というメールを送付。脅迫の対象はその後、同庁職員や家族にも広がった。
 ANVISAの理事たちは連邦警察に対し、この脅迫が同庁関係者に強い不安と恐怖の念を与え続けていたことを認めている。
 ボッザ氏は連邦警察に対し、「ANVISAとパラナ州保健局に子供へのワクチン接種に関する資料の送付を求めたが、無視されたので脅迫メールを送った」と告白している。
 ANVISAへの脅迫を焚きつけているのはボルソナロ大統領だ。大統領が16日のライブで「子供へのワクチンを承認した理事の名前を公開しろ」と発言後、大統領の支持者によるANVISA関係者やケイロガ保健相への脅迫が激化。これはANVISA関係者の怒りを買い、仲が決裂した状態となっている。
 大統領は依然として、「子供へのワクチンは受け入れられない」と反抗を続けている。これに対し、マルセロ・ケイロガ保健相も20日、「理事たちの名前は公表されるべきだ」と大統領に同調する意見を述べた。ただし、同相は「脅迫は犯罪行為」とも明言している。
 ケイロガ保健相は「子供のワクチンに関しては1月5日に決める」と語っており、接種開始が遅れることが懸念されているが、ANVISAは21日にコロナバックの幼年者への適用についての話し合いもはじめている。


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