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《サンパウロ州》知事選 ハダジ出馬の可能性膨らむ=PSBの圧力下、ルーラが熱望=世論調査でもフランサより優位

2021年12月24日

ハダジ氏(Rovena Rosa/Agencia Brasil)
ハダジ氏(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 労働者党(PT)とブラジル社会党(PSB)との間でルーラ元大統領とジェラウド・アウキミン元サンパウロ州知事による次期大統領選でのシャッパ(連名名簿)が期待される中、サンパウロ州知事選に元サンパウロ市市長のフェルナンド・ハダジ氏が出馬する可能性が強まっていると、22、23日付現地紙、サイトが報じている。
 22日、ルーラ氏はサンパウロ市で行われたゴミ収集者たちのためのクリスマス・イベントにハダジ氏を伴って参加。ルーラ氏はそこでハダジ氏に向かい、「なあ、ハダジ。サンパウロ州知事選に出たら勝てるってことに気づいているか」との発言を行った。
 これは、PSBがサンパウロ州知事選でフランサ氏を候補に擁立すべく、ハダジ氏に出馬断念を迫っている中で行われた発言として注目されている。
 PSBはアウキミン氏をルーラ氏の副候補にする代わりに、同党が擁立する知事候補をPTが支援することを求めている。この話はペルナンブコ、リオ、連邦直轄区ではまとまっているが、サンパウロ州支部は、アウキミン氏が2015年に知事となったときの副知事で、アウキミン氏が大統領選に出馬した18年に知事を務めたフランサ氏を知事にと願い、ハダジ氏には上議選への出馬を望んでいた。
 だが、ルーラ氏の中では、自身の後継者として指名し、18年の大統領選を断念した際は代理で大統領候補になり、次点になったハダジ氏にサンパウロ州を託したいとの意向が強い。
 そこに湧き上がったのが、アウキミン氏が副大統領候補になるならフランサ氏が知事選をおり、上議選に出るという話だ。この話は党本部での会合で出たもので、PT側にも伝わっている。

 PTとの連立で話がまとまっている州はフランサ氏に圧力をかけており、世論調査の結果も同氏には厳しい内容だ。
 18日、ダッタフォーリャはサンパウロ州知事選に関する世論調査の結果を発表したが、ハダジ氏の支持率はフランサ氏を上回っている。
 最初はアウキミン氏を民主社会党(PSDB)の候補とした場合で、アウキミン氏が28%で1位、以下、ハダジ氏19%、フランサ氏13%だった。
 PSDBの候補をリカルド・ガルシア現副知事に替えた場合は、ハダジ氏が28%で1位で、フランサ氏は19%で2位。アウキミン氏はもうPSDBを離党したので、ガルシア氏が同党候補となるのは決定的だが、同氏はギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)の11%やボルソナロ大統領が希望するタルシジオ・デ・フレイタス・インフラ相の7%に続く6%で、5位だった。
 一部の報道では、ハダジ氏はすでにボウロス氏と、「サンパウロ州知事選では左派同士の攻撃はしない」との約束も取り付けているという。ハダジ氏はこの約束で、PSOLがルーラ氏とアウキミン氏のシャッパを批判することを封じている。
 こうした事情から、フランサ氏の側近たちはハダジ氏のサンパウロ州知事出馬断念の可能性に関して悲観的になりはじめているとの報道も、流れはじめている。


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