《ブラジル》昨年の税収は1・87兆レ=17・36%増で過去最高
国税庁が25日、2021年の税収は1兆8790億レアルで、過去最高を記録したと発表したと25、26日付現地紙、サイトが報じた。
昨年度の税収額は、政府の公式インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)でインフレ調整した後も前年度の税収額を17・36%上回った。
この額は、経済省が毎月行う調査での1兆8640億レアルとの予想を大幅に超えた。
昨年の税収は、新型コロナの予防接種進展などで経済活動が回復した事や、税制改革に向けた動きを見込み、例年なら翌年に持ち越される支払いを繰り上げる企業が出てきた事などを反映したと思われている。
昨年の税収は11月にやや落ち込んだが、12月が前年同月を10・76%上回る1939億レアル超を記録した事で、年間を通じると前年比17%強の増収となった。
12月の税収増は、歳末商戦などによる経済活動の活性化や、10月に改訂された金融取引税(IOF)の税率引き上げがもたらした。12月の税収額もインフレ調整がなされている。
年間を通じた牽引役は、法人所得税(IRPJ)と法人が払う純益に対する社会納付金(CSLL)だ。企業の利益は一昨年を大幅に上回り、利益見込額に応じて払った税額との差を支払う必要も生じた。また、企業の利益や所得に対する税金だけでなく、個人の所得税も増えたという。
税収増を招いたもう一つの主要因は2020年に発効した納税延期の減少で、昨年の国庫収入額を197億レアル押し上げた。また、IOFの税率引き上げも21・3億レアルの増収をもたらした。
国税庁はコロナ禍の中でも税収が増えた事を喜んでいるが、昨年はコロナ禍で減収後の増収のため、今年は同様の増収は望めない。