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《ブラジル》フォーカス=インフレ予測が7週連続上昇=GDP成長率は0・3%維持

2022年3月3日

インフレ継続で価値の低下が懸念されるレアル(Jose Cruz/Agencia Brasil)
インフレ継続で価値の低下が懸念されるレアル(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 中央銀行が2日に発表した経済動向予測調査「フォーカス」によると、インフレ予測が7週連続で上昇したが、国内総生産(GDP)の成長予測は0・3%のまま据え置かれたと同日付現地サイトが報じた。
 公式インフレ指数でもある拡大消費者物価指数(IPCA)は、5・56%から5・6%に引き上げられた。4週間前の予想値は5・38%だった。IPCAは既に政府のインフレ目標上限の5%を超えているが、今後も、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で上方修正される可能性がある。
 23年のIPCAは4週間前の3・5%が3・51%に、24年のIPCAは先週の3・09%が3・51%に、各々、修正された。
 GDPの予想成長率は0・3%で、4週間同じだった。来年のGDP予想も1・5%で、先週のままだ。4週間前の予想は1・55%だった。24年の成長率は2%のままで保たれている。
 今年の経済基本金利(Selic)予想値は12・25%のままだ。来年は8%、24年は7・25%に低下した。

 Selicはインフレ抑制のための切り札として使われるが、昨年から今年にかけては、Selic引き上げ効果をインフレ圧力が上回る状態が続いている。
 市場がGDPの成長率を0・3%程度と見ている一因には、Selicが高止まりしている事がある。Selicが高いと、ローンや融資の返済金利も高くなるため、借り入れを利用した投資や高額商品の購入が困難になるからだ。
 GDP成長率が低いと失業率の改善や所得向上も難しくなるため、生産量を増しても売れないといった問題も生じる。
 今年の為替は1ドル=5・50レアルのまま保たれたが、来年の予想は5・36レアルが5・31レアルに若干低下。24年は5・30レアルのままだった。


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