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《ブラジル》昨年のGDPは4・6%成長=パンデミックの損失分回復=インフレと高金利が足かせに

2022年3月5日

2010~21年のGDPの推移(4日付G1サイトの記事の一部)
2010~21年のGDPの推移(4日付G1サイトの記事の一部)

 地理統計院(IBGE)が4日、2021年の国内総生産(GDP)は4・6%成長し、コロナ禍による損失分を回復したと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 ブラジルは21年第2四半期に0・3%、第3四半期にも0・1%のマイナス成長を記録し、景気後退期(リセッション)に入っていたが、第4四半期は0・5%成長し、リセッションを脱出した。
 通年のGDPは前年比で4・6%増え、2010年の7・5%に次ぐ値となった。昨年のGDPは8・7兆レアルで、コロナ禍初年の2020年の損失分(3・9%のマイナス成長)を回復した上、2019年第4四半期も0・5%上回った。それでもまだ、2014年第1四半期のGDPは2・8ポイント下回る。
 昨年のGDPはサービスの4・7%増や工業の4・5%増が牽引した。前者は、運輸・保管・郵便の11・4%増やその他のサービスの7・6%増が目立つ。運輸関連では接種進展や規制緩和で旅行客が増えた年末の伸び、その他のサービスでは防疫規制の影響が深刻だった対面対応が必要な部門の回復が目立つが、観光、レジャーなどはまだ回復途上だ。商業は5・5%増、不動産業も2・2%増を記録した。

 工業は、機械や設備、金属・非金属加工、運輸関連機器、自動車などの製造業が4・5%成長。鉱業も、鉄鉱石採掘増などで3%増を記録。土木建設も9・7%伸びた。
 電気、ガス、上下水道と廃棄物処置は0・1%減(実質的な変化なし)で、電力危機が昨年の活動の足かせとなった事をうかがわせている。
投資は17・2%増えてコロナ禍前の水準を16・9%上回り、GDPに占める比率も16・6%から19・2%に上昇。だが、貯蓄預金の比率は、経済基本金利(Selic)上昇などで17・4%から14・7%に低下した。
 家庭消費は3・6%増えたが、高インフレ、高金利で購買力が落ち、コロナ禍前の水準を1・3%下回る。公共支出は2%増したが、干ばつや降霜の被害を受けた農業は0・2%減となった。輸出は5・8%増、輸入は12・4%増で、貿易がGDP成長率を1%押し下げた。
 なお、国民1人あたりのGDPは4万688レアルで前年を3・9%上回ったが、20年に起きた4・6%減は回復できていない。国民1人あたりのGDPがコロナ禍前の水準に戻るのは2029年と見られている。
 今年のGDPの成長率は、高インフレ、高金利とウクライナ危機の影響を強く受ける見込みだ。


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