《ブラジル》2月の農産物輸出は93億ドル黒字=大豆や牛肉が輸出を牽引

応用経済調査院(Ipea)が23日、2月は農産物輸出が急増し、93億ドルの黒字を計上と発表したと同日付現地サイトが報じた。
2月の農産物輸出は昨年同月比で64・5%増の105億ドルだが、輸入は2%増の12億ドルに止まり、93億ドルの黒字となった。同月の貿易収支は全体で40億ドルの黒字だったから、農産物輸出が貿易全体を牽引した事が明らかだ。
農産物輸出急増は国際的なコモディティ価格の高騰などを反映した。大豆ととうもろこしの価格は過去最高に近く、2月の月間輸出額を2019~20年のどの月をも上回る水準に押し上げた。
また、今年に入ってからの牛肉輸出は、国際的な需要増と国際価格の高騰で高水準を保っている。これに対し、豚肉は中国国内での増産を受けた需要減で国際価格が低下。中国への豚肉輸出は昨年2月比で48%減少しており、他の国々への輸出増にも関わらず、輸出量は昨年同月を12・7%下回った。
一方、昨年7月から1月まで輸出量減が続いていたコーヒーは、久しぶりの輸出量増となった。コーヒーの価格は昨年末から上昇が続いていたが、ロシアによるウクライナ侵攻や輸出量増加などで安定化に向かっている。
2月の輸出を牽引したのは大豆やその派生品と牛肉だ。昨年同月比では大豆が137・0%、大豆ミールが52・8%、大豆油が30・0%、牛肉が42・0%増えた。ただ、干ばつなどの影響で大豆の生産量は落ちており、年間を通じた大豆と派生品の輸出量は減少する可能性がある。
輸入の2%増は、小麦の輸入増(量で10・9%、額で26・5%)が主な原因だ。小麦の価格の高騰は主要輸出国のロシアとウクライナを巡る危機の影響を受けている。ブラジル国内での生産量は2・6%増の見込みだが、国内需要は賄えず、小麦製品の価格上昇は不可避と見られている。