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《ブラジル》グローボ番組でルーラが貫録見せつける=大統領候補インタビューで=LJ皮肉りアウキミン称賛

2022年8月27日

JNでのルーラ氏(Twitter)
JNでのルーラ氏(Twitter)

 ルーラ元大統領(労働者党・PT)が25日、グローボ局のニュース番組「ジョルナル・ナシオナル(JN)」に出演し、大統領候補者インタビューを受けた。支持率1位のルーラ氏はペトロブラスの汚職の存在やジウマ元大統領の経済失策を認めながらもラヴァ・ジャット作戦を批判。また、副候補のジェラウド・アウキミン氏やボルソナロ大統領のことなどにも言及した。26日付現地紙が報じている。
 ルーラ氏へのインタビューで最も注目されたのはラヴァ・ジャット作戦に関してだ。同番組は同作戦を応援するように取り上げ、ルーラ氏が2018年に収賄容疑などで実刑に服した際も、同氏に対してかなり批判的だったためだ。
 だが、ルーラ氏は不快な表情を浮かべることもなく、冷静に、ときおりユーモアを交えながら受け答えを行った。まず、ラヴァ・ジャットの中心となったペトロブラスの汚職問題に関しては「証言者があれだけいるのだから、汚職はあったはず」と認めた。だが、「問題は、証言者が報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)で、検察が望むように話してしまったことだ」として検察の捜査の姿勢を批判した。
 ルーラ氏はラヴァ・ジャットに関して、「あれが失敗したのは、政治の限界を踏み越えてしまったことだ」とも語った。
 また、PT政権時代を振り返り、「金融活動管理審議会(COAF)を作って不審な金銭の流れをわかりやすくしたのも、経済防衛行政審議会(Cade)でカルテル対策を行ったのも私の政権のときだった」と語り、「大統領を守る連邦検察庁も連邦警察も自分には必要ない」との言葉でボルソナロ大統領を皮肉った。検察庁はボルソナロ氏への訴状の多くをお蔵入りさせている上、ボルソナロ氏には連邦警察への介入疑惑がたびたび浮上している。
 汚職に関する話題では、自身の第1期政権(2003―06年)に起きたメンサロン事件と関連させ、「メンサロンと(ボルソナロ政権の)秘密予算(予算審議時の報告官の裁量で動く金)のどちらが汚いと思う?」と語り、ここでもボルソナロ政権を批判した。
 質問がルーラ氏の後継者だったジウマ元大統領に及ぶと、「彼女の1期目(2011―14年)は素晴らしかった。だが、ガソリンの価格設定で失敗はしたと思う、5400億レアルの免除ができた時代に」と経済失政を認めた。
 質問は、ルーラ氏が副候補に長年の政敵である民主社会党(PSDB)所属だったジェラウド・アウキミン氏を迎えたことにも及んだ。ルーラ氏は「私は彼に嫉妬さえ覚えるくらいさ」と、その政治的手腕の高さを評価した。そして「彼がブラジル社会党(PSB)に移ってきてシャッパを組んだことでPT党内に反感はあったが、今はない」と語った。司会者が「党内にはまだ反感があるようだが」というと、「それは生きている世界が違うな」とおどけた。
 ルーラ氏のJN出演はこの日のネットの最大の話題となったが、概ね好評で、「厳しい質問で知られる2人の司会者を逆にやりこめていた」との論評などが目立った。側近はルーラ氏をたたえながらも、「飢えの問題に踏み込めたらなお良かった」と分析している。


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