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《ブラジル》21/22農年=穀物収量は2・712億トンか=前農年比で1450万トン増予想

2022年9月10日

大豆の収穫(CNA/Wenderson Araujo/Trilux)
大豆の収穫(CNA/Wenderson Araujo/Trilux)

 国家配給公社(Conab)が8日、2021/22農年の穀物の収量は2・712億トンとの最終見通しを発表した。
 同公社の公式サイトなどによると、21/22農年は一部地域で水危機や干ばつが起きるなど、悪条件が重なったものの、総収量は前農年比で約1450万トン増え、過去最高となる見込みだという。
 穀物生産の核である大豆は、南部諸州やマット・グロッソ・ド・スル州の一部で高温、干ばつなどの影響を受け、生産性や生産量が低下。リオ・グランデ・ド・スル州の収量が前農年比で50%以上減少するなど、全体で前農年を10%下回る1・256億トンの収穫にとどまると見られている。
 トウモロコシの推定収量は前農年比で30%増の1・132億トンとなる見込みだ。最初の収穫期は南部諸州の気候上の悪条件のため、前農年と同程度の2490万トンだったが、第二期は生産性が回復し、収量も前農年比で41・8%増の8610万トンとなると見られている。
 それでも、ゴイアス州やサンパウロ州、ミナス州での干ばつと虫害のため、過去最高を更新する事はできなかった。虫害はパラナ州でも起きており、2022/23農年は一層の注意が必要だと呼びかけられている。
 棉の栽培でも干ばつの影響が見られたが、綿花の生育は良好で、推定収量は255万トンが見込まれている。また、雨が例年より少ない事が9月末まで続く収穫を容易にしているという。
 とうもろこしの価格に後押しされ、過去最高となる285万トンという生産量を記録したソルガムも注目されている。ソルガムの収量は前農年を36・9%上回る見込みだ。
 フェイジョン豆は3回の収穫期の全てで気候上の問題に直面したが、それでもなお、収量は国内の需要に応じるのには足りる300万トン近くとなる見込みだ。
 米の収量は作付面積が減った事や生産性が低下した事を受け、前農年より少ない108万トンにとどまる見込みだが、それでも、国内の必要には十分に応えられるという。
 Conabによると、今農年は大豆の生産状態をとらえる地図の作成範囲が拡大し、マラニョン、トカンチンス、ピアウイ、バイアの4州からなるマトピバ地区も対象となった。この地図は新たな技術の適用と観察により、生産上の安全性が高まり、収量の予測も容易になるなどの利点があるという。
 また、冬作物の小麦は、南部での大雨で種まきが若干遅れたりしたものの、収量は940万トンに達すると見られている。
 棉の推定輸出量は前回予測を若干下回ったが、それでも190万トンを輸出した上で、前年同様の130マントンの在庫を残せそうだという。
 大豆の在庫も前農年からの繰越と今年の収穫とで7719万トンとなる見込みだ。大豆の在庫は1~8月だけで6660万トンに達していた。
 小麦も2022/23農年への繰越が160万トンと見込まれている。トウモロコシの推定在庫は生産性の低下などを受け、970万トンから940万トンに減る見込みだ。
 米の消費量は予想を下回り、236万トンの在庫を抱えて今農年を終える見込みだ。今年の輸出は140万トン、輸入は100万トンと見られている。


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