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IBGE=多様化する結婚の考え方=結婚期間短縮、同性婚増加

2025年12月12日

万華鏡2
イメージ(Foto: Drew Coffman/unsplash)

地理統計院(IBGE)が10日に発表した「民事登録統計2024年版」によると、ブラジルにおける結婚生活の平均期間が、2010年の16年から2024年には13・8年に短縮されたことが明らかになった。短縮されたにも関わらず、離婚件数は2024年に初めて減少に転じた。だが、同性婚の件数は過去最高を記録しており、そこには婚姻に対する考え方の多様化が影響を与えていると同日付オ・グローボ紙など(1)(2)(3)が報じた。

結婚生活が短縮された背景には、再婚の増加や、結婚そのものに対する価値観の変化があると見られる。特に、再婚者の増加は結婚生活の短命化に影響しており、1度目の結婚が比較的短期間で終了するケースが目立つようになっている。

結婚そのものに対する価値観の変化も、この傾向に一役買っていると考えられる。過去には結婚生活の継続が重要視されていたが、現在では離婚後の再スタートを選ぶ人が増えているという社会的背景も、この数字に反映されている。

一方、離婚件数が減少に転じたことは、2019年以降で初めての現象だ。2023年には44万827件の離婚が記録されたが、2024年には42万8301件に減少。これには、共同親権の増加や、離婚後も共同で育児を行うケースの増加が寄与していると見られる。社会的な離婚に対する受容度の高まりも離婚件数の減少に一因として挙げられる。

ただし、減少の傾向は全国一律ではない。地域別に見ると、北部地域では離婚件数が9・1%増加したのに対し、南部、東南部、北東部、中西部では減少し、特に中西部では11・8%もの減少が記録された。一方で、離婚件数減少は結婚自体の減少も影響している可能性が指摘されている。

結婚の変化に関しては、同性婚の増加が顕著だ。2024年には前年比8・8%増の1万2187件が記録され、女性同士の結婚がそのうち64・6%を占める。同性婚合法化以来、最も高い数値となっており、ブラジル社会における婚姻に対する認識の変化を反映している。地域別では中西部(28・2%)と北東部(16・4%)が増加率が高かったが、全体的には都市部を中心に同性婚が広がりを見せている。

近年の傾向として初婚年齢の上昇が見られる。男性は平均31・5歳、女性は29・3歳で結婚するようになり、特に同性婚においては男性が34・7歳、女性が32・5歳という高齢化が進んでいる。この傾向は、社会全体の婚姻に対する価値観の変化を象徴しており、キャリアの追求や経済的安定を重視する傾向が強まっていることを反映していると考えられる。

再婚に関するデータでは、再婚者の増加が顕著で、2024年には異性愛者の結婚の31・1%が、少なくとも1人が離婚歴または死別歴を持つ夫婦だった。この割合は2004年の13・5%から大きく増加し、再婚者の増加が結婚全体の構成に大きな影響を与えていることがわかる。

再婚者が増える一方で、その年齢も上昇しており、2024年には再婚をする男女の平均年齢が、男性45・3歳、女性41・5歳に達しており、これらの数字は過去のデータと比較して顕著な増加を示している。


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