ＢＮＤＥＳ総裁にメルカダンテか？＝ハダジ財相に続く驚き人事

　社会経済開発銀行（ＢＮＤＥＳ）の次期総裁として、ルーラ次期大統領の労働者党（ＰＴ）の主要政治家であるアロイージオ・メルカダンテ氏の名前が浮上しており、市場が難色を示している。１３日付現地紙、サイトが報じている。
　これは１２日にＣＮＮブラジル等が報じたことで明らかになった。メルカダンテ氏は政権移行スタッフの取りまとめ役を務め、閣僚としても大統領府などに入ることが予想されていたものの、経済関係の役職を務めるとは思われていなかった。
　メルカダンテ氏はカンピーナス総合大学で経済学修士、カトリック大学サンパウロ校で同博士号を取得している。だが、同氏はジウマ政権で科学技術相と教育相を歴任するなど、経済関係部門の経歴はなく、いわゆる財界関係者ではない。
　次期財相のフェルナンド・ハダジ氏に続き、財界関係者でない人物がＢＮＤＥＳ総裁に就任することに市場は難色を示している。市場が最も懸念しているのは、メルカダンテ氏が歳出上限よりも投資開発を重視する傾向がある国ことだ。また、同氏がテメル政権の時代にＢＮＤＥＳに導入された利率「ＴＬＰ」を批判していたことも不安材料となっている。
　また、公社法の規定では、総裁になるためには就任前の３６カ月前以内は、政党または選挙キャンペーンの組織化や構造化およびその実施といった政治的役職に就いていないことが条件とされており、メルカダンテ氏が抵触しないかが注目されている。