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今週中に閣僚入れ替えへ=セントロンから2大臣増=財政均衡法案の遅延防ぐ

2023年8月17日

パジーリャ大統領府渉外室長官(Antonio Cruz/Agencia Brasil)
パジーリャ大統領府渉外室長官(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 【既報関連】連邦政府は予てから囁かれている閣僚再編を今週中に終わらせる見込みだ。それは、来週はルーラ大統領(労働者党・PT)が国外に出ることと、アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)とフェルナンド・ハダジ財相(PT)の対立で来週に延びた財政均衡法案(アルカボウソ)の審議をこれ以上先延ばしさせないためだ。16日付フォーリャ紙(1)が報じている。

 連邦政府は7月来、連邦議会での地盤を固めるべく、PPと共和者(RP)の議員の閣僚入りを進めてきた。
 閣僚入りが予想されているのは、PPのアンドレ・フフカ下議とRPのシルヴィオ・コスタ・フィーリョ下議の二人だ。前者は社会開発相、後者はスポーツ相の座を伺っているが、今日に至るまで、どの役職になるかのめどが立っていない。
 PPとRPは中道勢力セントロンの中でも保守色が強めで、反PT派、親ボルソナロ派も少なくない。そのため、PT内部ではこの2党の政治家の閣僚入りに反対する勢力も少なくなかった。
 とりわけPPが狙っているとされる社会開発相は、PTの古くからの看板政策であるボルサ・ファミリアを統括する役割でもあり、特に反対が強い。また現閣僚が辞任に否定的でもあるため、PT内部からは「新しい省を二つ作っては」との声も出ているほどだ。
 だが、14日に報じられたハダジ氏がバンデイランテス局で行ったインタビューでの発言の中にルーラ政権の政党連立への批判とされる発言が含まれていたため、問題が発生。
 15日付G1サイト(2)によると、「閣僚に多くの政党関係者を」とルーラ大統領に進言していたのはリラ議長でもあったため、ハダジ氏の発言にリラ議長や政党リーダーらが不快感を表明し、今週行われる予定だったアルカボウソに関する下院の投票が来週に延期されてしまった。表向きは「上院での修正点の審議の必要」が理由とされているが、ハダジ発言が尾を引いたと見る向きが強い。
 ルーラ大統領は来週、南アフリカで開催されるBRICS会議に向かうため、本来なら今週中にアルカボウソの投票を終わらせたいと考えていたため、投票の延期は想定外の事態だった。
 ハダジ氏とリラ氏の対立を長引かせれば、その影響はアルカボウソの承認の遅れだけに止まらない。通常なら7月の休会前に承認されるはずの連邦予算法(LDO)の承認はアルカボウソの承認待ちのため、承認が遅れれば、8月中に提出が必要な2024年度の予算案提出のめどが立たなくなる。そうなると、11日に大統領が発表した経済活性化計画(PAC)第3弾のための資金繰りの見通しも立たなくなる。
 そうしたことから、連邦政府は14日からアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官を中心に政局調整を再開。ルーラ氏が大統領就任式出席のために滞在していたパラグアイから戻るのを待ち、PPやRPとの直接交渉を行うことになる。RP党首のマルコス・ペレイラ下議もこのために国外出張から戻ってきている。


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