サンパウロ州グアルジャー=エスクード作戦の死者増加=カエテ作戦では連警が重体に

【既報関連】7月27日夜の軍警殺害事件を受け、7月28日に始まったエスクード作戦は今も続いており、15日には死者が18人に増えた。他方、この日は連警のカエテ作戦も行われ、犯罪者との銃撃戦が発生。連警のチアゴ・セリング・ダ・クーニャ警部(40)が頭を撃たれ、重体と15日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
軍警巡回機動隊(Rota)のパトリッキ・バストス・レイス氏が凶弾に倒れたことで始まったエスクード作戦は30日間続く予定で、15日にグアルジャー市内2カ所で発生した銃撃戦で2人が死亡。これにより、同作戦の死者は18人となった。指名手配者153人を含む逮捕者は447人で、864・5キロの麻薬と拳銃や小銃などの火器58丁が押収されている。
同作戦は死者の多さから警官による報復行為との批判も出、警官に対する捜査も行われている。14日付G1サイトなど(4)(5)によると、制服に装着したカメラの映像は16件中6件分しかなく、真相解明は困難だという。5人が死亡した現場の映像はカメラのバッテリー切れなどで映像が残っておらず、それ以外の映像も死者が出た現場を明確に映していないなどの問題があるという。
州司法支援センターは映像提出と死者が出た作戦行動に関与した警官の更迭を求めているが、14日現在も映像の提出はなく、州政府からの返答も得ていない。軍警は死者が出た作戦行動に関与した警官はリスク軽減・心理的サポート委員会を経た後に職務復帰するかが決まるとしているが、州側は復帰した警官の数や復帰先などを明らかにしていない。
他方、グアルジャー市ではカショエイラ地区でも銃撃戦が起き、検察官、市警、軍警、財務局職員などからなる組織犯罪対策特別班(Gaeco)の支援を受けて家宅捜査中のクーニャ警部が被弾。目の上に外傷を負い、脳の一部も損傷した。損傷は最小限で済んだというが、16日付G1サイト(6)によると、同警部は16日にサンパウロ市内のシリオ・リバネス病院に移送された。
同作戦の目的は武器の違法売買の摘発で、犯罪者達は連警がいた家に踏み込むと銃を乱射。応戦した警官らは2人を逮捕し、拳銃と機関銃各1丁と現金、麻薬も押収した。
サンパウロ州連警組合は、グアルジャー市やサントス市などのバイシャーダ・サンチスタでは国際的な麻薬密売組織が横行し、罪のない人々や警官の命を奪っているとして、国、州、市の三つの公権力による効果的な介入を求めている。