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BRICS会議(上)=アフリカ諸国との関係強化=ハダジ氏も産業の多様化擁護

2023年8月24日

BRICS諸国の首脳達(ロシアは外相が代理出席、Ricardo Stuckert/PR)
BRICS諸国の首脳達(ロシアは外相が代理出席、Ricardo Stuckert/PR)

 22~24日にヨハネスブルグで開催中の第15回BRICS首脳会議は、各国の企業家が参加するビジネスフォーラム、国家元首や政府首脳、外務大臣のみのリトリート、夕食会で初日のプログラムを終えた。

ビジネスフォーラムでのハダジ財相(©Ministerio da Fazenda/Gov)
ビジネスフォーラムでのハダジ財相(©Ministerio da Fazenda/Gov)

 22日付G1サイト(1)によると、ルーラ大統領は21日にヨハネスブルグに到着。外務省は今回の主要テーマはブロック拡大とアフリカ諸国との関係強化、参加国間の共通通貨の三つとしており、ルーラ氏はアフリカ民族会議(ANC)の代表との会談も含めた会議に精力的に参加している。
 21日付アジェンシア・ブラジル(2)によると、初回首脳会議は2009年開催で、ブラジル、ロシア、インド、中国が参加。2011年からは南アフリカも含む5カ国となった。BRICSと呼ばれ始めた2001年の国内総生産(GDP)は全世界の8%のみだったが、現在は26%に成長。
 今回の会議にはアルゼンチンやサウジアラビアなど、参加希望22カ国の首脳も参加しており、新規参加を認めるための基準などが話し合われる。
 BRICS拡大は中国が積極的に推進してきたが、中国の狙いはBRICSの影響力を高め、米国主導の現状を打破することだ。南アフリカとロシアも拡大を支持しているが、インドはBRICSが中国の代弁者となることを警戒しているとされている。
 ルーラ氏は拡大も視野に入れる一方、西側諸国との関係が希薄になることや対立関係になることは避けたい意向だ。G7主導の現状打破を願う中国やアモリン元外相の言葉に反し、BRICSをG7や米国への対抗策とする考えを否定。一方でアフリカ諸国との関係回復・強化を強調したと22日付エスタード紙サイトなど(3)(4)(5)が報じた。
 同様の考えはビジネスフォーラムでのハダジ財相の発言にも反映されている。20日付アジェンシア・ブラジル(6)によると、同フォーラムにはブラジルからも30の企業グループが参加。22日付アジェンシア・ブラジル(7)(8)によると、ハダジ氏は新興国も含めた諸国が経済、社会、政治の力学に照らして発展しており、BRICSも多大な貢献をしているとする一方、BRICSは他のフォーラムと対立するものではないとした。
 また、「アフリカと南米は、世界の産業活動を多様化するための舞台になり得る。先進国の保護主義により、世界はグローバリゼーションの観点から後退を経験している。だが、世界中でより公平に機会が分配されるように、すべての生産を少数の国家に集中させる必要はない」と同氏は述べた。
 22日付アジェンシア・ブラジル(9)によると、ルーラ氏は先日発表した経済活性化計画(PAC)は停滞していた事業の再開や進行中の事業の加速、新たなプロジェクトの選択を規定し、3400億ドルに及ぶものと説明。BRICS諸国の投資家にとっても興味深いチャンスが多数あると語った。(続)


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