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PAC第3弾=教育や健康より軍事費=巨額投資に批判の声も

2023年8月24日

ジャーナリストのアンドレ・フォラスチエリ氏(23日付テラサイトの記事の一部)
ジャーナリストのアンドレ・フォラスチエリ氏(23日付テラサイトの記事の一部)

 連邦政府が11日に発表した経済活性化計画(PAC)第3弾について、健康や教育関連の事業への投資額より、武器関連の投資額が多いことを疑問視する声が広がっている。ジャーナリストのアンドレ・フォラスチエリ氏によれば、ルーラ政権での軍事予算増加は人気取りや政治的な意図によるものである可能性が高いと見ている。22日付テラサイト(1)が報じている。
 PACの総予算は1・7兆レアルで、その内、国防分野への予算は528億レアルに達している。これらの資金は主に、戦闘機、原子力潜水艦を含む潜水艦、ヘリコプター、装甲車などの大型装備の購入に使われる予定だ。一方、教育、科学、技術分野への投資は450億レアル、保健・医療分野に至っては305億レアルの割り当てとなっている。
 コンサルティング会社「Compasso」の経営者で、影響ある人物として2018年の「トップ・ボイス」の1人にも選ばれたアンドレ氏によると、伯国は戦争状態にはなく、他国からの攻撃も予測されていないにもかかわらず、国防費に巨額を投じるのは、ルーラ大統領が過去の選挙で戦った候補者に対抗し、人気取りのために国防費を増やしているのではないかと指摘する。以前のPT政権でも国防部門に多額の資金が提供されたが、あまり成果がなかった。
 にもかかわらず、重要度の高い住居問題や教育、医療などの社会的ニーズ以上の資金を割り当てていること、国内の治安維持においても問題が山積みであることを考慮すると、政府の取り組みは適切ではないとの国民の懸念が広がるばかりだ。
 調査によると、国民の軍への信頼度はかなり低下しているという。信頼度は高いと答えた人の割合は過去6カ月で43%から33%に減少。あまり信頼していないと答えた人は39%で、以前の41%より低下した。一方、信頼していないと答えた人は18%から22%に増加した。
 同氏は、軍による不正が横行したことも、国民の信頼を失墜させていると説明した。
 アンドレ氏は、「軍事への巨額投資が本当に国民のためかは疑問が残る。これは重要視するべき問題であり、政府の行動はまるで我々に対して戦争を仕掛けているような印象を与える。否、確かに政府は公的資金に対して戦争を仕掛けているのだ」とし、国の予算や公共の財政に深刻な影響を及ぼしていると強調した。


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