高金利で融資需要が減少=12カ月間では14%も

銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)のデータによると、ブラジルの消費者の融資需要が減少していると28日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
Serasaの消費者需要指標によると、7月の融資需要は6月より2・4%減少した。22年7月との比較では10・9%減少している。前年同月比減という状態は22年6月以降、14カ月間続いているという。
今年に入ってからの累積需要は12・3%減っており、12カ月間の累積では14%減少したという。Serasaは納税者番号に基づいたクレジット付与のための相談を毎月追跡調査しており、消費者によるクレジット検索が増えた連邦自治体はゼロだった。
Serasaのエコノミスト、ルイス・ラビ氏は、この傾向は高金利が原因だと説明している。金利が高い時に融資を受けると返済が困難になるため、消費者がローンや融資の利用に二の足を踏んでいるということだ。
中銀の通貨政策委員会(Copom)は8月の会合で、経済基本金利(Selic)を0・5%ポイント引き下げて13・25%としたが、それでもローンや貸付を利用するには不適切と考える消費者が多いようだ。
Selicはインフレ抑制のための切り札だが、高金利は信用や消費、投資にマイナスの影響をもたらす。他方、ローンや融資の利用は借金増を意味し、債務不履行が増えるリスクもあるが、融資は経済活動の活性化や雇用や所得拡大のための基本ツールだ。
フルミネンセ連邦大学のルイ・サンタクルス教授は、今年の融資需要減少はパンデミック中や直後の需要が高かったためで、現在の需要もそれなりの高水準と説明。クレジットは企業や政府にとっても投資を保証するもので、「経済の温度計は信用だ」という。
融資需要減少には債務不履行増加も影響している可能性があり、政府の再交渉計画などで債務不履行が減れば需要が増える可能性もあるが、Serasaでは、金利や消費者の信頼感指数、雇用水準といった要因の方が大きいと見ている。
Serasaによると、過去12カ月間で融資需要が最も減ったのは収入1千レアルまでの人の15%で、収入1万レアル超では11・5%減だった。