元環境相が環境犯罪で被告に=不法伐採の木材輸出疑惑で

リカルド・サレス下議が、前政権の環境相時代にアマゾン等における不法伐採木材の輸出を助長した疑惑で被告となったと28日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)が報じた。
今回の訴訟は21年5月19日に遂行されたアクアンドゥバ作戦に基づくもので、連邦検察庁が「林産物の密輸を促進する重大な計画」の存在を指摘。計画への関与が疑われるサレス氏や森林伐採を監査する公的機関職員らを起訴した。訴状はパラー州連邦地裁が受理した。
アクアンドゥバ作戦は輸出に必要な書類がないブラジル産木材が米国で押収された一連の事件に関する捜査で、21年5月19日付G1サイトなど(7)(8)によると、ブラジリアやサンパウロ州、パラー州の35カ所で家宅捜査を実施。環境省や国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の役職者らが更迭され、サレス氏も同年6月23日に解任された。
サレス氏以外で起訴されたのはエドゥアルド・ビン国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)元総裁と同院職員ら計21人で、各々、収賄、植生に対する犯罪、資金提供、犯罪組織形成などの罪に問われている。
検察庁によると、サレス氏は監査に関連するIbamaの戦略的な役職に技術的な能力を持たない公務員を任命することで、私的利益を求める人達に有利な条件を提供して公共の利益を損なった上、パラー州産の木材輸出に関し、製材業者やIbama職員らと会合を重ねていたが、これらの会合に関して虚偽の供述も行っていたという。会合では、2019~20年に違法に出荷された数千に及ぶ貨物を遡及効果も含めて合法化するための技術的な意見書も出されていた。
また、同氏が指名した環境省やIbamaの職員達は、米国で押収されたブラジル産木材の輸出を認めるため、同院の技術的なガイドラインに沿わない証明書や公式通知を発行し、不法伐採を行っていた製材業者に便宜を図り、不当な利益を得ていたという。
連邦地裁判事によると、同件は下議としての任務遂行には関係がなく、議員特権は適用されないため、サレス氏を上級裁判所で扱う必要はないという。
一連の告発の責任者でアマゾナス州連警元主任のアレシャンドレ・サライヴァ氏によれば、今回の起訴はサレス氏に関する訴訟第一弾で、史上最大の225立方メートルに及ぶ不法木材を押収したアンドロアントゥス作戦に基づく訴訟では、カルラ・ザンベリ下議やゼキーニャ・マリーニョ上議らも対象となるはずだという。