連警=ブラガ・ネット元国防相捜査=リオ州軍直接統治期の入札で=ハイチ大統領暗殺関与企業も

12日朝、連邦警察が、テメル政権時に行われた治安面への軍事介入時(2018年2〜12月)に、暫定統括官だったヴァルテル・ブラガ・ネット氏の指揮下で起きた不正契約疑惑などに関する捜査を行った。捜査対象の中には、2021年6月に起きたハイチのジョヴェネル・モイーズ大統領暗殺に関与したとされる企業も含まれている。ブラガ・ネット氏は家宅捜査の対象にはならなかったが、携帯電話の通信記録が開示された。同日付G1サイト(1)やフォーリャ紙(2)が報じている。
連警による捜査は「ペルフィージア作戦」と銘打たれ、リオ州、聖州、ミナス・ジェライス州、連邦直轄区で16件の捜査令状が出た。
ブラガ・ネット氏はテメル政権時代の2018年、リオ州が犯罪集団と警官の抗争が激化して統治不能状態に陥っていた10カ月間、陸軍が治安面の連邦直接統治を行った際にリーダーをつとめた人物だ。今回の捜査はその時期に行われた不正入札や贈収賄工作、連邦公務員らによる組織的犯罪の嫌疑に関するものだ。
その中でも特に注目されているのは、米国の警備会社「CTUセキュリティLLC(以下CTU社)」との間で交わした9360着の防弾チョッキ購入に関する契約だ。連邦介入局(GIF)は945万1605・60ドル(4016万9320・80レアル)の購入契約を結んだが、内460万レアル分が水増しと見られている。
G1サイト(3)によると、購入契約はブラガ・ネット氏が個人の意思で入札も行わずに進め、2018年の年末に締結。2019年1月23日に3590万レアルが支払われたた。だが、連邦会計検査院(TCU)が契約内容を疑問視し、差しとめ処分を行った。
その後、CTU社は2021年のハイチのモイーズ大統領暗殺事件の際、クーデターを起こそうとした殺害命令者で米国系ハイチ人のクリスチアン・サノン容疑者に武器を提供していたことが明らかになった。GIFとCTU社の不正契約に関する報道はそれが発覚した直後に、国内の一部メディア(4)でも行われた。
そのことに関しては、2022年2月9日に米国の移民・関税執行局(HSI)がブラジリアの連邦警察の汚職撲滅課にも伝えていた。
ペルフィージア作戦の対象はGIFの関係者と企業だが、ブラガ・ネット氏も同件の捜査対象で、携帯電話の通信記録が開示された。同作戦に関するブラガ・ネット氏や弁護人の発言は12日朝現在では出ていない。
ブラガ・ネット氏はボルソナロ政権の重要閣僚の一人で、2020年2月~2121年3月は官房長官、21年3月~2022年4月は国防相を務めていた。さらに、2022年の大統領選では再選を狙うボルソナロ氏の副候補も務めた。
G1サイト(5)などによると、9日に最高裁が承認したボルソナロ前大統領の元右腕の陸軍中佐(停職中)のマウロ・シジ容疑者による報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)では、ブラガ・ネット氏に関する言及もあると報じられている。