プレカトリオ=連邦政府が規定変更要請=雪だるま式の増額回避へ

連邦政府が最高裁に対し、国が抱える負債の一つであるプレカトリオの支払い規定の見直しを要請したと25日付エスタード紙電子版など(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)が報じた。
プレカトリオは控訴が不能となった裁判で支払いを命じられた未払金で、裁判所が命じた金額は通常、政府債券の発行を通じて翌年予算で償還される。
だが、ボルソナロ大統領は2021年にプレカトリオのPEC(憲法改正補則法案)と呼ばれる法案を提出し、当時抱えていたプレカトリオの支払いに上限を設け、26年まではこの上限以内の金額だけを支払うこととした。このPECは当時の財政にとっては他の政策や事業への資金確保の道を開くものとなったが、以後発生するものも含む未払金は雪だるま式に膨らむという結果を生んでいる。
財務省は、22~26年に発生したストックを含む27年のプレカトリオの支払額は2500億レアルに達する可能性があり、27年の裁量的支出(人件費や年金などの義務的支出以外の予算)は実質的に食い尽くされると判断。このままでは連邦政府が債務不履行に陥るとして対応を急いでいる。
このためにとられた手段が今回の最高裁への規制見直し要請で、プレカトリオのPECは違憲という総弁護庁の意見書と共に提出された要請には、支出限度枠撤去とプレカトリオの支払を基礎的財政収支の目標計算から外す(簿外とする)こと、特別国債発行などが含まれる。
財務省は、最高裁がこの要請を認め、中銀の同意も得られた場合は24年に特別国債を発行し、950億レを基礎的財政収支枠外で清算する意向だ。この額は22年以降の繰り越し分の650億レと24年に発生する見込みの300億レを含んだものだ。財務省によると、PEC発効で高まった財政リスクや追加利息などで、連邦政府が払うべきプレカトリオの額は既に1300億レ増えている。
連邦政府が最高裁に規定見直しを求めたのもそのためで、プレカトリオの支払いを基礎的財政収支の枠外とすることは24年の基礎的財政収支における赤字ゼロという財政目標達成のためにも不可欠だが、公的会計の結果の計算は中銀の責任のため、意見の相違を見る可能性がある。国際統計を調和させ、各国の財政状況を他国と比較できるようにするために国際通貨基金(IMF)が定めた規定では、プレカトリオは基礎的財政収支の枠内で扱うことを定義しているからだ。