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サンパウロ市市長選=副探しで候補者にプレッシャー=イスラエル紛争からも飛び火

2023年10月11日

サンパウロ市市長選有力候補のギリェルメ・ボウロス氏(左)、リカルド・ヌーネス氏(中央)、タバタ・アマラウ氏(右)(8日付フォーリャ紙サイトの記事の一部)
サンパウロ市市長選有力候補のギリェルメ・ボウロス氏(左)、リカルド・ヌーネス氏(中央)、タバタ・アマラウ氏(右)(8日付フォーリャ紙サイトの記事の一部)

 2024年のサンパウロ市市長選挙の主な立候補者らはこの数日、副市長候補者の選定で政治的圧力と障害に直面している。有力候補であるギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)、リカルド・ヌーネス氏(民主運動・MDB)、タバタ・アマラウ氏(ブラジル社会党・PSB)の3人の周囲では、副市長の座を狙う各党の思惑や連立の障害になり得る憶測が飛び交い、水面下では既に根回しが始まっていると8日付フォーリャ紙など(1)が報じている。
 最新の世論調査で2位につけているリカルド・ヌーネス現市長は、自由党(PL)からの圧力にさらされている。同氏はボルソナロ氏からの支持を仰いでおり、自由党はヌーネス氏に副市長の座を提供するよう求めている。だが、同氏はボルソナロ派との連携を維持しつつも、右派の一部であるリカルド・サレス元環境相(PL)が立候補に乗り出さないように努めており、政党内での連携を維持しつつ、副市長候補者の選定に向けた調整を進めるという、難しいかじ取りを強いられている。
 一方、現在支持率で1位につけているギリェルメ・ボウロス氏は既に、労働者党(PT)に副市長の座を提供することを約束している。この決定は、PTが個別の候補を立てないことを宣言し、ボウロス氏との連携を重視している証拠だ。ただ、副市長候補には女性を優先的に選ぶべきとの決議も存在しており、有力な候補者の選定はまだ進行中だという。
 さらに、タバタ・アマラル氏は民主労働党(PDT)やAvante党など、他政党からの支持を獲得しようと奮闘している。同時に、民主社会党(PSDB)がヌーネス氏支持から離れて彼女の支持に回る可能性を見ており、自身の候補者としての立場を強化し、市政計画や政府内での役職を提案することで、他の政党との連携を築こうとしている。
 一方で、出馬候補の一人であるキム・カタギリ氏(ウニオン)は、ボルソナロの支持を受ける可能性のあるリカルド・ヌーネス氏に対抗の意を表している。(2)
 「ヌーネス氏は右派の票を得ようと大変な努力をしている。中道候補の人質になる必要はない」と意見を述べている。
 なお、感染症専門医のジェイン・ゴリンシュテイン氏は8日、ボウロス候補のサンパウロ市長選挙での事前キャンペーンの協力から離脱することを発表した。(3)これは、ボウロス氏がハマスによるイスラエル攻撃を非難しない立場をとったことに対する意見の相違から生じた決断とされる。ボウロス氏は、パレスチナ人を支持しながらも、暴力的な攻撃を非難し、ガザ地区に対する平和的な解決策を支持する意向を表明している。


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