サンパウロ市市長選=アルキミンがPTと対立か=アマラル候補の支持表明で

ジェラルド・アルキミン副大統領兼商工開発相(ブラジル社会党・PSB)は、28日に行われたサンパウロ州議会(Alesp)でのイベントで、同党所属のサンパウロ市市長選候補タバタ・アマラル氏を「斬新な真の変革者」と表現し、同氏への支持を表明した。一方、労働者党(PT)は既にギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)への支持を宣言しており、この点でルーラ大統領(労働者党・PT)と対立している。29日付エスタード紙サイト(1)が報じている。
アルキミン氏はスピーチの中で、「彼女は新しいものであり、変化だ。誰が変化を望むのか。女性の参加、感性、情熱による変化だ」とアマラル氏を賞賛し、「我々PSBは変革の代表であり、サンパウロ市市民の生活を変えるための変化を提供する。そう、我々は批判するが、人に対してではない。改善すべき点を批判するのだ」と述べた。イベントには、同じくルーラ政権の閣僚のマルシオ・フランサ港湾空港相(PSB)も同席した。
アルキミン副大統領はサンパウロ州政界の実力者であり、同氏の支持は選挙戦でも重要な意味を持つ。同氏はサンパウロ州知事を4回務めており、2015年〜18年の最後の任期では、サンパウロ州の有権者の57%を占める1200万票以上を獲得して第1回投票で当選した。ルーラ氏は22年、極右のボルソナロとの選挙戦で、中間層を取込むためにアルキミン氏を副大統領に選んだ。
タバタ・アマラル氏は現在、連邦下議を務めており、来年の市長選に出馬する意向を示している。世論調査では、ボウロス氏とリカルド・ヌーネス現市長(民主運動・MDB)に次ぐ、3位につけている。
サンパウロ州議会で行われた式典は、新たな市議候補者の育成を行うPSBのプロジェクト「投票の学校」の卒業を記念したものだ。同プログラムの参加者は政治的なコミュニケーションや動員、選挙キャンペーン計画に関するミーティングを行った。アルキミン氏はSNS上で、「優秀な連邦議員であり、我が党の重要な仲間であるタバタ・アマラルのイニシアチブで実現したイベント」と賞賛した。
PTのサンパウロ市支部長のラエルシオ・リベイロ氏は今月の会合で、ルーラ氏がサンパウロ市での選挙戦に参加することを確認した。同党は今年8月、市長選でボウロス氏を支援することを表明している。他の左派政党のブラジル共産党(PCdoB)、緑の党(PV)、レデもボウロス氏との同盟を宣言済みだ。
8月末に発表されたダッタ・フォーリャの世論調査では、ボウロス氏が32%の支持を受けてリードしており、現市長のリカルド・ヌーネス氏が24%で2位だった。タバタ・アマラル氏は11%の支持を受け、連邦下議のキム・カタギリ(ウニオン・ブラジル)は8%だったが、調査の誤差は上下3%ポイントで、両者は統計的にほぼ同率だった。