上院口頭試問=ジノ氏僅差で最高裁判事に=ゴネ氏すんなり検察庁長官=長時間だが意外に白熱せず

13日、上院憲政委員会(CCJ)で、最高裁新判事に指名されたフラヴィオ・ジノ氏、連邦検察庁長官に指名されたパウロ・ゴネ氏のサバチーナ(口頭試問)が行われ、両者共に承認された後、上院本会議での全体投票で正式に認められた。同日付コレイオ・ブラジリエンセ(1)(2)やUOLサイト(3)などが報じている。
今回のサバチーナでは、ルーラ政権の法相でもあったジノ氏に対するボルソナロ前大統領派の上議の反発が事前から注目されていた。それは、1月8日襲撃事件に際し、ジノ氏がボルソナロ派の襲撃者たちを厳しく断罪したためだ。
サバチーナの席では、野党のリーダー格、ロジェリオ・マリーニョ上議(自由党・PL)が厳しい質問を浴びせた。同上議は、「政治の党派性なし」が望まれる最高裁判事の職務において、ジノ氏にそれが貫けるかを疑問視。以前、「ボルソナロ主義は麻薬の売人より悪い」と発言したことや、ボルソナロ派の支持者の中で予てから出回っていた、リオ市北部のマレー複合地区のファヴェーラで犯罪組織の関係者と会っていたという噂について尋ねた。
ジノ氏はボルソナロ主義に関して「それは、ボルソナロ派の人物による(大聖市圏スザノでの)学校襲撃事件を容認する発言があったからだ」と説明。さらにマレー地区に関しては、「私が何の警備もなく、あの地区に足を踏み入れることはありえない」と否定した。
ボルソナロ派からは前大統領長男フラヴィオ上議(PL)も質問に立ち、法相時代のジノ氏の野党議員の扱いがぞんざいだったことを批判したが、対立が予想されたセルジオ・モロ上議(ポデモス)はサバチーナの途中でジノ氏と抱擁を交わし、周囲を驚かせた。
一方、ゴネ氏は、マグノ・マルタ上議(PL)から、同氏が検察庁副長官として、ボルソナロ氏の選挙法違反に関し、選挙高裁に有罪とすることを勧めたことで前大統領が8年間の出馬禁止につながった件について問われ、「捜査で集められた情報に基づいて客観的に判断した結果だ」と答えた。
11時間を費やしたサバチーナの後の投票では、ジノ氏が賛成17反対10、ゴネ氏が賛成23反対4の結果で承認され、全体投票に回された。ジノ氏への反対票10票は、現在の最高裁判事と比べても最多だったが、なんとか乗りきった形となった。
全体投票では、ジノ氏が賛成47反対31、ゴネ氏が賛成65反対11で、ともに承認に必要な41票を上回っていたため、正式に承認された。ジノ氏の全体投票の結果は、2021年にボルソナロ大統領(当時)に指名されたアンドレ・メンドンサ氏の賛成47反対32に次ぐ、ワースト2の数字となった。
承認を受けたジノ氏は来年2月から、ゴネ氏は今月18日からの就任となる。ジノ氏の任期は75歳の誕生日を迎える2043年4月30日まで、ゴネ氏の任期は2年間となる。