グローボ・スクープ=三権広場で首吊り計画=モラエス判事を処刑?=連警捜査受け本人発表

昨年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の際、襲撃者たちの間で選挙高裁長官のアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事を捕らえ、三権広場で絞首刑にする計画が存在したことをモラエス判事自身が明かした。4日付UOLサイト(1)などが報じている。
これはモラエス判事自身がグローボ紙の最新インタビューで明かしたものだ。それによると、襲撃者らの作戦は三つあり、「一つ目は、襲撃当日に陸軍特殊部隊が私を誘拐し、ゴイアニアに連行するというもので、二つ目は、そのゴイアニアへの途中で遺体を処分するというものだった」と語った。
「三つ目は、襲撃者たちがクーデターを起こした後、私を捕らえ、三権広場で私を処刑するというものだ。いかにも、個人と組織を区別することができない人たちが考えそうな、攻撃的で憎悪に溢れた計画だ」と同判事は批判した。
これらの計画の存在は、同襲撃事件に関する連邦警察の捜査で明らかになったという。
モラエス判事は同件に関し、「大げさではあるが」と前置きした後、「これと似たような計画があるのではないかとは思っていた」と語っており、「謀反者たちがこのような反逆行為を計画するであろうことは予測できる。実際には何も起こっていないから、万事大丈夫だ」と語った。
モラエス判事はさらに、「最高裁がいかなる反逆行為も認めないと明確に宣言していなかったら、ドミノ式に次々と似た行為が続き、国は無秩序状態となっていたことだろう」とし、最高裁がとってきた態度がクーデターを回避させたとの見解を強調した。
大統領が「法と秩序の保証(GLO)」を発令するまで居座るつもりだったと襲撃者が語っていることから、モラエス判事は「GLOを行使すれば事態はもっと混乱していた」として、ルーラ氏が発令を回避したのは正しかったと語った。警察だけでは治安が維持できないと大統領が判断した際にGLOが発令され、軍が動員されて警察活動を行う。もし襲撃の際にGLOが発令されていれば、それが悪用されていた可能性を示唆した。
モラエス判事の態度はボルソナロ派からは「厳しすぎる」としばしば批判されており、その矛先は襲撃事件での被告に対する実刑求刑年数に及ぶことがある。だが、同判事は「最も厳しい場合は50年以上の求刑も可能だが、最大でも17年の実刑年数に過ぎない」とし、判決は決して厳しいものではないと説明。「告発されたくなければ罪を犯さないことだ」と語った。
それに加え、同判事は「貧しい人を被告にしていると思っている人がいるが、実際には被告の大半は中流の人で、(州都から離れた)内陸の人が多い」とし、「裁きを受ける人も皆平等だ」と語っている。
モラエス判事の処刑計画があったことを知った労働者党(PT)のグレイシ・ホフマン党首は、「極めて重大な問題」として、処刑計画を画策した人物に対する訴訟を起こす意向を示した。
また、アジェンシア・ブラジル(2)によると、リカルド・カペリ暫定法相も、「極めて重大で受け入れ難い」とし、責任者を処罰するために「最終的な結果」を得るまで徹底捜査するべきだと述べている。