サンパウロ市=「路上の神父」へのCPI=市長や大統領が反対示す
「路上の神父」とも呼ばれ、貧しい市民への慈善活動で知られるジュリオ・ランセロッティ神父とその慈善団体に対して、サンパウロ市市議会が議会調査委員会(CPI)を作ろうとする動きがあり、リカルド・ヌーネス市長やルーラ大統領などが反対する行動を取っている。4日付G1サイト(1)、CNNブラジル(2)、アジェンシア・ブラジル(3)などが報じている。
ことの発端は、保守派政治団体「ブラジル自由運動(MBL)」の主要メンバーのルビーニョ・ヌーネス市議(ウニオン)が、ジュリオ神父の運営する非政府団体がクラコランジアの麻薬常用者らに対しても慈善活動などを行っていることを問題視し、この団体が正しい形で運営されているかを調査するためにCPI開設を求めたことだ。同市議はCPI開設に必要な数の署名を集めており、2月にも設置が予想されていた。
だが、予てから市民から人気があり、フランシスコ・ローマ法王からも人道活動を称えられたことのあるジュリオ神父の捜査に対して強い反対の声が上がり、ネット上でも年始の大きな話題の一つとなっていた。
また、ヌーネス市長もこのCPIの開設に難色を示した。同市長は3~4日にジュリオ牧師に直接電話をかけ、この問題を解決させたいと語った。
一方、ルーラ大統領も4日、ネット上にジュリオ神父と共に撮った写真を掲載し、ジュリオ神父やその団体の活動は「市民にとって不可欠なもの」と称賛。CPIには言及していないが、この投稿は話題を呼んだ。
また、宗教関係者からもCPIに関して批判的な声明が相次いでおり、市議の中には署名を取り消す人も出てきている。