穀物生産=収量予測を下方修正=天候不順な南部中心に

国家配給公社(Conab)が10日、2023/24農年の穀物の収量予測を3・064億トンに下方修正したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
今回の発表は今農年に関する4度目の予測報告で、3・199億トンを記録した2022/23農年比で1350万トン減となった。
同公社によると、南部での大雨に加えて、中央部での高温や降雨のばらつきといった不安定な気候条件が引き起こした作付の遅れは今も続いており、作物の生産性に悪影響をもたらしているという。
また、天候不順で生じる不確実性が生産者の意思決定も妨げるため、作付面積や生産性、生産量の推定は従来以上に困難だったという。
主要産物の大豆の収量は、前回予測値の1・602億トンを下回る1・553億トンに下方修正されたが、22/23農年の1・546億トンを超えている。
降雨量のばらつきや高温という状況が作付や収穫の両面にマイナスの影響を与えており、他の作物に乗り換える農家や12月の予想より作付面積を減らす農家も出ているという。
トウモロコシの収量予測は1・176億トンで、昨農年を10・9%下回る。この数字は、作付面積の減少と収量悪化を反映したものだ。トウモロコシは第1期の収量が、南部諸州での多雨と中西部での高温を伴う少雨という不利な状況で減少。第2期の収量は、コストの評価や気候要因、作付期間の有無、市場価格によって決まる。
米の収量は昨年比で7・2%増の1080万トンと予測され、輸出が200万トンに増える可能性があるが、国内供給を回復する必要があるため、150万トンに止まると見られている。Conabでは、一部の生産州では価格上昇が面積拡大を招いたとしているが、作付の遅れや各地で発生した大雨や日照り、栽培上の処理の難しさなどが生産性の向上を妨げているという。
フェイジョンは前回収量が303万トンに達し、生産は安定しているが、最初の収穫期の天候は不安定になりそうだ。
棉は栽培面積が6・2%増の177万ヘクタールに達する見込みだが、麻州ではその一部が大豆の栽培に振り替えられる可能性がある。綿花の収量は310万トンの見込みだ。
小麦の収穫は810万トンで終えた。小麦は当初、気候に恵まれ、全農年同様の記録的な収穫が期待されたが、9月からの雨が生産性の損失を引き起こした。
10日付グローボ・ルラル(3)によると、今年の一次産品市場では、大豆の生産量予測が減少したことで、油糧種子穀物の輸出も減る見込みだ。また、国家エネルギー政策評議会がディーゼル油へのバイオディーゼル油混入率を12%から14%に引き上げることを承認したのを受け、バイオディーゼル油生産用の大豆が増えることなどで、大豆(粒)の輸出量は昨農年比で313万トン減の9845万トン、潰した大豆の輸出量も11・9万トン減の5340万トンとなる見込みだ。