コロニアピニャール=中村副知事ら福井村を訪問=文協会員ら100人が歓迎=シモネ下議も出席

コロニアピニャール(福井村)文化体育協会(徳久俊行会長)が8月31日午前10時、サンミゲル・アルカンジョ市の同協会会館で福井県からの訪問団(中村保博副知事)一行12人を歓迎する昼食会を開いた。協会関係者を始め、連邦下院のシモネ・マルケット議員(MDB)、サンミゲル・アルカンジョ市議会の渡辺クラウジオ悟議員らが出席し、総勢100人で盛大に中村副知事らを歓迎した。
会館を訪れた副知事一行は花束を持った協会会員らに出迎えられ入場。同日本語モデル校教師の橋本理沙さんがポルトガル語の通訳を付けずに日本語だけで司会を行った。ポルトガル語なしの司会進行は昨今の日系団体の催しでは珍しい。
来賓席に中村副知事、宮本俊県議会議長、福井県立大学の岩崎行玄学長、シモネ下院議員、ブラジル福井県文化協会の西村純子会長、福井県議会議員4人、徳久文協会長が着席した。
徳久会長は今年創立62周年を迎えたコロニアピニャールの活動について振り返り、「組合の車両寄付、会館建設、電気導入、体育館建設支援など福井県から多くの協力をたまわった。県費留学生、研修員を多数呼んでいただき、農業継承者も育っている。これからも、長くお付き合いを続けていただきたい」と述べ、日本語学校教師宿舎建設補助や高椋小学校との姉妹交流などの日本語教育協力に対しても感謝を語った。
コロニアピニャールからは、県人会組織のブラジル福井県文化協会の会長や役員が多数輩出されている。

中村副知事は「このような温かな歓迎をしていただき感謝いたします。福井村は1962年に福井県出身の3家族14人が入植されて始まったと聞き、ぜひ訪れてみたいと思っていました。会場に来る際、道を間違えてジャングルに入り込んでしまい、皆さんのご苦労の一端を肌で感じることができました。皆さんの弛まぬ努力に心より敬意を表します。福井県では1980年以来、ブラジルから技術研修員を203人受け入れています。日本語学校と高椋小学校児童との絵画交流、福井村の『飛翔太鼓』ジュニアチームの福井訪問も行われました。今後とも、福井県とコロニアピニャールの交流を通じて、日伯友好交流に寄与していきたいと考えておりますので、皆様のご協力、ご支援をたまわりますようお願い申し上げます」とあいさつした。
司会者が杉本達治福井県知事のメッセージを読み上げた。杉本知事は「式典の直前に台風10号が本県を直撃するとの予報があり、福井県を離れることができなくなりました。私自身が訪問できないことを心からお詫び申し上げます。今後一層の団結と、次の開村70周年に向けた飛躍を期待いたしております」と述べた。
続いて宮本県議会議長、岩崎学長があいさつした。

非日系のシモネ下院議員は「私は(ブラジル連邦共和国下院議会で)日系社会を代表して活動している。お互いに協力して交流を深めましょう」とポルトガル語であいさつし、日本語学校卒業生が日本語に通訳した。
乾杯後、歓迎昼食会が行われ、日本語モデル校の生徒12人がコーラス2曲、リコーダー演奏を披露した。
県議会の森嘉治議員は「親子3代にわたって姉妹校の高椋小学校を卒業した。皆さんの描いた絵を見る度に、ブラジルのことが好きになっている。今日はぜひ皆さんの授業風景を拝見させていただきたい」と親しく話しかけていた。
閉会あいさつの後、訪問団一行は記念集合写真を撮り、コロニアピニャール歴史資料館を見学した。その後、副知事、県議会議長、学長3人が校庭に沖縄桜の苗を記念植樹した。
コロニアピニャール日本語モデル校の教室で生徒12人との交流も行われた。生徒からは雪についての質問が寄せられ、「福井では2メートルも雪が積もり、毎年屋根の雪下ろしが大変だ。冬は2階の窓から出入りする」と答えると、生徒たちは驚いた様子だった。高学年の生徒からはITに関する質問があり、岩崎学長が「ぜひ本学に学びに来てください」と呼びかけた。
