サンパウロ州=北部海岸で赤潮が発生=1月10日頃から報告

サンパウロ州北部海岸で赤潮が発生しており、注意が呼びかけられている。赤潮は海洋の微生物が大量増殖して広範囲に広がり、海水が赤みがかって見える現象だ。
14日付G1サイトなど(1)(2)(3)によると、北部海岸での赤潮が最初に確認されたのは1月10日頃で、漁師や船頭がアルカトラゼス島付近の海が赤くなっているのに気づいたという。
以後、サンパウロ州環境公社(Cetesb)やサンパウロ総合大学(USP)海洋生物学センター(CEBIMar)などの環境機関が観測や監視を続けており、1月25日にはサンセバスチアンやイーリャベーラの海岸に赤い染みが到達したことが確認されている。
CEBIMar研究員のアンドレ・パルダル氏によると、赤潮は植物プランクトンや藻などの海洋の微生物が大量発生し、風や海流などの要因で海岸まで運ばれて起きるもので、普段は明るい青色のイーリャベーラの海水も真っ赤に変色したという。
観測や監視は衛星写真の他、船舶で現場に行って集めたサンプルを解析して得たデータや目視などを通して行われる。サンセバスチアンやイーリャベーラでは有毒ではない、メソディニウム・ルブルムと呼ばれる赤色水繊毛虫が優勢であることが分かっているが、この繊毛虫は有害な藻の餌となる。また、その有害な藻を食べた魚やムール貝が人間に摂取される可能性もある。赤潮が中毒や吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、頭痛を引き起こす可能性があるとされる所以だ。
サンセバスチアンで先週行われたムール貝の調査では海洋生物毒素は確認されなかったが、赤潮は生活排水などに含まれるリンなどの栄養過多や雨水などの大量流入による塩分濃度低下などでも起こる。また、多くのプランクトンが光合成に伴って放出する二酸化炭素の濃度が高くなると、魚介類が死ぬことがある。北部海岸では魚の死も確認されている。
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