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日本発の環境型農業=注目の「ヤマカワプログラム」(6)=農園センプリヴェルデを訪ねて

2025年3月12日

農園センプリヴェルデでの集合写真
農園センプリヴェルデでの集合写真

 ブラジルの全土各地で実施されているヤマカワプログラム。今回の視察行では6つの州(ゴイアニア州、バイーア州、ペルナンブッコ州、サンパウロ州、ブラジリア、リオ・グランデ・ド・スル州)の19農家を訪れた。視察行は2024年11月16日から12月1日までの約2週間に亘って行われた。
 今回、記者は11月20、21日に訪れたバイーア州ジュアゼイロ市、ペルナンブッコ州ペトロリーナ市の農園視察と、30日のサンパウロ州イビウーナ市の農園視察に同行した。
 ジュアゼイロ市は、バイーア州最大都市のサルバドール市から北へ約500キロの場所に位置し、市北部にはブラジル有数の大河、サンフランシスコ河が流れている。同市から伸びる橋を一本渡れば、隣州のペルナンブッコ州ペトロリーナ市に到着する。
 サンフランシスコ河の源流はミナス・ジェライス州にあり、約3160キロにわたる道程を経て大西洋へと至る。政府は、この河を利用した灌漑プロジェクトを1940年代後半に始動させ、70年代にサンフランシスコ河流域開発公社(CODEVASF)を立ち上げて、本格的に灌漑事業を行った。
 ジュアゼイロ市とペトロリーナ市はかつて、カチンガ(半砂漠)と呼ばれる乾燥疎林地帯だったが、今では葡萄やマンゴー栽培の一大生産地となり、同地で取れたフルーツはブラジル国内販売のみならずヨーロッパやアメリカ、中東などにも輸出販売されている。
 ペトロリーナ市で葡萄畑の経営を行う農業技師の平井ロベルト・ダイサクさん(66歳、2世)とその息子で農園を持つ平井・ノダ・ファビオ・ノボルさん(35歳、3世)は、農業コンサルタントとして両市でヤマカワプログラムに沿った農業指導を行っている。
 ヤマカワプログラム視察団一行は、平井親子に同行して農園を視察。乾いた暑さと太陽が照り付ける20日白昼には、ジュアゼイロ市北東部に位置する農園、ファゼンダ・センプリヴェルデ(Fazenda Sempre Verde)を訪問した。
 同農園は40年以上に渡って運営されており、現在の経営はフジサワ・ヴァルテル・テルユキさん(58歳、2世)とその娘、フジサワ・デ・ソウザ・ラリッサ・ヒトミさん(32歳、3世)が行っている。農園管理は農業コンサルタントのオニシ・ルーベンス・マコトさん(70歳、2世)が25年間に亘って担当している。マンゴー畑約150ヘクタール、バナナ園約50ヘクタールを営み、主にヨーロッパやアメリカなどへの輸出販売を行っているという。(つづく、淀貴彦記者)


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